アニメ「それ町」第12話(最終回)レビュー
アニメ「それ町」最終回・第12話(十二番地「それ町」 : TBS12/24 AM 2:29~放送)レビュー 。
EQ最高の「それ町」な人たちとも今日でお別れ
*BS-TBSはまだ半分弱残ってるけど。
皆様お疲れ様でした。
どうぞ、コーヒーでも召し上がれ。
特製の金縁カップでございます。
(今日はクリスマス・イブです。12/15の”NORADのサンタ追跡”も見てね)
http://cocoreview.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/post-a435.html
(サンタの追跡は日本時間12月24日の午後4時からです)
まただらだら書いちゃったので。ささ、コーヒーでも飲みながら。
”放課後ティータイム”といきましょう、って、それは「けいおん」か。(ちょっとネタバレかも)
・・・今更だけど、このオープニングは秀逸だなあ。
さて、最終回。
ああ! モンブランを切断するなんて。やめてくれ~っ! ドラえもんのまねして「万年虫~~」なんて、心臓に悪い。
で、損失を取り返すために、小説なんかに挑戦して、みごと玉砕か・・・。うんうん。分かる分かる。なんで分かるかって? それは秘密です!
が、それで、事故に遭ってしまうとは。ついてない時はついてないんだよなあ。人生は。すぐにお迎え来ちゃってたし。ちょうどこの時にツッコミ善治さんがいれば良かったかも。でも、周囲のみんなが悲しんでいるのを見るのは辛かった(原作にはなかったが、名シーンだと思う)。
この世と変わらないあの世ってのも、ちょっと嫌かな。悩み事も続いてしまうような。心霊写真が天国のプリクラ(ん?”心霊フォトショップ”か。デジタル写真にもつかえるのか?)だったというのはアイデアだ。
そうそう、それで、あの案内係のオジサンもさらりと悲しい事実言ってるし。「(歩鳥に向かって)死者の案内係なんてどうでしょう? ”私の息子もやってますし”」って。オジサンと息子は一緒に天国に来てしまったのか…?
歩鳥が生き返って良かった。(案内係のオジサンには確かにいいご褒美だったと思う)
”それでも町は廻っている”か。味わい深いタイトルだ。
* * * * *
しかし、やはり1クールでしたか・・・。
いい(面白い)話だと思うけど、キャラクター商品展開などはしにくいのかな。難しいとこだ。
放送時間の方も、日曜夕方に「STAR DRIVER」のようなお色気アニメやってるけど、「けいおん」とか「それ町」の方を深夜から家族で見られる時間帯に持ってくればいいと思うのだが。
ほんで、せっかくなので原作本を”大人買い”(まとめ買いともいう)してきました。 コミックのまとめ買いは「PLUTO」(全8巻:最終巻のお茶の水博士がものすごくかっこいい)以来だ。もうオヤジだし。
真田の父親くらいの世代のオッサンがレジに行ったら、本屋のお姉さんにケゲンな顔で見られてしまった。
まさに、これ、「ビー・バップ・ハイスクール」とか「なめ猫」とかが流行った時代でした。我々の世代は。
おじさんが学生だったころは”現物”がたくさんおりましたわ(私はちがうぞ)。
アニメ・コミックならファーストの「ヤマト」「ガンダム」「うる星やつら」などをリアルタイムで観てました(「ウルトラマン」なら「帰ってきた~」以降。初代と「セブン」は再放送で良く見たが、DVDが普及するまで「ウルトラQ」は幻の作品だった(モノクロなので)。田舎では「仮面ライダー」の方が人気だったが(バイクの話だから)。
実際のメイド喫茶のメイドさんはだいたい俳優の卵がやっていて、そもそも喫茶店に高校生が出入りするのは不良とちゃうの?(カフェは大人の安息地だからね)…などという話は置いといて。
それにしても、歩鳥って、やさしいというか、IQはともかく、EQは高いな。すごく。
なにも10数年も前の真田の母親の通夜の話を聞いて泣かなくても・・・(原作4巻31話「一ぱいのミシンそば」)。料理は一般男子学生よりも、間違いなくおっさんの私よりも下手だが。
(*EQ=他者に共感する能力)
ちなみに私は(美形ではないが)やや底意地が悪いタッツンやメイド長の方が性格似てます。ハッハッハッハ!
なんというか「シンプソンズ」(「それ町」同様しょっちゅう首しめシーンが出てくる)か、アレ、「ビンボウくん」の世界のような感覚で生きてます。
とても真田や紺先輩みたいなピュアな人間ではありません。
しかし、外回りの仕事なら、多少は図太くなければ。
これぞ大人の世界の話(ただし仕事は誠実にしてます!)。
もっとも、大阪いったら私もタコヤキ食べるタイプです。
前の職場にはタッツンに顔も性格も(メガネも。スタイルは除く)そっくりの”優秀な”女性がいて・・・こっちが男歩鳥みたいでさんざんな目に遭ったことがある。トホホな思ひ出ですわ -_-; 面白くもあったけど。
ついでながら、高校時代は視力が両眼2.0で、スポーツも苦手で、クラブは映研だったから、歩鳥の視力が2.0だったり、(原作で)映研の話が出てくるのも懐かしかった。
本を読むと、アニメの「それ町」は原作にかなり忠実だったのがわかりましたが、原作の方がファンタジーと、それから、生死の問題、地方や商店街の厳しい現状の話など、シビアなテーマの話が多いですね。
読み応えある。うん。
原作6巻44話「ざっくばらん」なんか、弘法大師・空海の格言「生まれ~生まれて生の始めに暗く、死に~死んで死の終わりに冥し」(「秘蔵宝鑰:ひぞうほうやく」より)をもじったセリフがさらりと出てくるから、たまげましたわ。
ときどき、つげ義春(よしはる。ツッコミじいさんの方は善治で”ぜんじ”。地方だと”よしはる”と読む名前の人が多いから、ここから名前とってるのかな?)氏の「ねじ式」や楳図かずお氏風の不条理・不気味テイストが感じられますね(子供の時は恐くて嫌だったけど)。それと、「AKIRA」「童夢」の大友克洋氏の画風がたまに。
※他のインタビューとかを見ると、藤子不二雄(FとAの二人の共作)さんの「ドラえもん」の影響が一番大きいとのことです。それとアニメの「AKIRA」。
*第11回文化庁メディア芸術祭で推薦を受けた時のインタビュー
http://plaza.bunka.go.jp/open/intv_ishiguro.html
イラストなどには、少しばかり「最終兵器彼女」の影響もあるかなと言う気がしなくもないですが・・・。
ラブコメ調の明るい作風が基本だけど、他方で、暗い情念や町の日常生活が舞台の話を描くのは同じ北陸出身の高橋留美子さん(新潟出身。石黒氏は福井)にも見られますね。まあ、全部の漫画家を比較したわけではないけど。
「それ町」の原作読んで、紺先輩の部屋にあった”「金色夜叉」の置物”がなにかも分かった。歩鳥が「太陽にほえろ」のテーマ曲を知っている世代だろうか? という疑問は残ったが(CSかDVDでチェックしてるのかな)。あの長髪のおまわり(制服警官が長髪で許されるのかな?)のモデルは松田優作さんですね。「ブラック・レイン」やテレビの「探偵物語」シリーズ良かったなあ。
「それ町」は「探偵もの」というだけあって、原作者の石黒氏はやはり、英グラナダTV制作の「シャーロック・ホームズの冒険」(いわゆるNHKでやってたホームズ。いまでもCSなどでしばしば放映されてます)のホームズ役、ジェレミー・ブレッドさんにふれてましたね。親しみ感じます。「ミザリー」が出てくるのも通だなあ。
(ホームズのDVDも昔まとめて買った。これも大人買い。強烈に財布と胃にこたえたが、買う時は買うのだ)
で、先週唐突に出てきた「ビンボウくん」はメイド長が読んでる新聞に連載されている四コマ漫画なのか。納得。というか、変な新聞。もっとも、昔、新聞に載せる競輪・競艇の出走表の校正をやっていたことがあるのでちょっと懐かしい。
「それ町」って、実写も良さそうな気がする。”ドラマのTBS”か”NHKの朝の連続テレビ小説”とかで。が、実現したら猛烈な賛否両論起きるかな。キャストも思いつかんし。
ともあれ、下町・丸子商店街の”動く”人たちとは一旦お別れ。
現実の話、東京って全国から人の集まる所だけど、地元の人がラジオ体操や盆踊りやってるのに出くわすと、やっぱり地方組の自分はよそ者なんだと分かる。紺先輩の気分は良く分かります。だけど、いるんですよねえ、歩鳥みたいな人たちが。グラナダTV版”S・ホームズの冒険”「犯人は二人(恐喝王ミルバートン)」でDr.ワトソンが言ってたとおり「都会には悪事もあるが、人情もある」(ドイル氏の原作にはないセリフだが)。そういえば、お神輿を担いでる外国人も時々いるし。東京は気に入ってます。私は。
「S・ホームズの冒険・ぶな屋敷(ぶなの木立ち)」で、ホームズが言うには「のどかな美しい田園地帯の方が、(ロンドンの裏町より)遙かに恐ろしい犯罪が数多く記録されている」し、横溝正史氏の「金田一耕助シリーズ」だって舞台は山奥の田舎だし、おまけに現代の田舎は車社会だし。イメージが悪くなるから誰も言わないが「本当は怖い・・・」って、地元の人間には分かってることです(私も山沿い田園地帯生まれです)。
(東京創元社版のホームズも阿部知二氏から深町眞理子氏の新訳になって、”不適切用語”が全部言い換えられてるようです)
※先週のTBS『アカデミーナイト』 (12/17 深夜2:25~)のアニメ特集では、「それ町」も紹介されてた。磯端メイド長役の櫻井孝宏さんのナレーションで、歩鳥役の小見川千明さんとタッツン役の悠木碧さんが、丸子商店街のモデルになった東京・大田区の東急・下丸子駅から武蔵新田(むさしにった)駅付近の商店街にある、八百屋(八百菊:コミック1巻の町の地図では八尾市の八尾菊になってた)、魚屋(鮮魚真田)、神社(新田神社:にったじんじゃ。こちらは”武蔵新田(むさしにった)商店街”にある。宮司さんのブログでも紹介されてた)、”メイド”喫茶シーサイド(喫茶アルプス)などを紹介してました。作中の店の様子が実際そっくりで面白かった。
とりあえず、アニメのセカンド・シーズンがあることを小見川さんとともに新田神社に願掛けておこう。では。
※新田義興(にったよしおき)公の方に真田君が入るとして、さて、少将局(しょうしょうのつぼね)の方は誰が入るのでしょうかね?(これは七五三記念写真用のです。たぶん)
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コメント
もう見ました、面白いですね
投稿: けいおん! 画像 | 2010年12月24日 (金) 11時30分
コメントありがとうございます。
「けいおん!」は歌も楽しいですね (^^)
投稿: cocobravo | 2010年12月24日 (金) 13時49分