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2011年3月19日 (土)

地震考古学を活用した防災対策について(福島第一原発事故に際して)

     地震の日本史―大地は何を語るのか (中公新書) 秀吉を襲った大地震―地震考古学で戦国史を読む (平凡社新書)

今回の東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)では、同じく想定を超える地震と津波を受けながら、東京電力の福島第一原発は重大事態を招来し、東北電力の女川原発はそれほどでもありませんでいた。

あまり専門的なことは私には分かりませんが、少なくとも女川原発の方は、地質学的・文献学的に考古学調査まで行い、チリ地震津波や明治三陸津波をはじめ、500年前の慶長津波や1100年前の貞観津波まで調べ、周到な津波対策をしていたのは確かなようです(つまり、全く”想定外”とは言い切れない)。

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※東北電力の津波対策報告書の表紙と中の1頁
((独)原子力安全基盤機構のHPより)

日本は歴史が長い国なので、災害に関しても文献による資料がたくさん残っていて、文献の調査と自然科学的調査の両方によって、過去の災害の歴史を知ることができます。

特に有名なのが「地震考古学」で、香川県出身で現在は(独)産業技術総合研究所招聘研究員の寒川旭(さんがわ・あきら)氏が提唱したものです。

   
産総研のHPではH23東北地方太平洋沖地震に関して、「つくばセンター災害対策中央本部」が設けられ、放射線測定結果や地震に関する研究情報が掲載されています。

・ 活断層・地震研究センター : 平成23年東北地方太平洋沖 地震研究情報 

・ 災害対応タスクフォース : 被災地の衛星画像情報

*仙台放送のHPに以前からあった「大地震に備える」-地震探求・宮城県沖地震を考える-というサイトにも寒川氏による地震考古学の紹介ページがあります。

→http://jishin-info.jp/column-08/column-08a.shtml
→http://www.ox-tv.co.jp/index.html

※参考

(独)原子力安全基盤機構のHP

*2007年12月に開催された「地震・津波に対する原子力防災と一般防災に関するIAEA/JNES/NIEDセミナー」 開催報告の講演資料より

「女川原子力発電所における 津波に対する安全評価と防災対策」(PDF)(東北電力・松本康男氏)

→同セミナーでは、他に「大地震後のプラント健全性評価・情報伝達 (PEES)及び周辺地域を含めた原子力発電所の津波及び地震に対する防災 (TiPEEZ)」(PDF)」((独)原子力安全基盤機構・蛯沢勝三氏)など、今回の福島第一原発事故のような状況を想定した研究報告もされていて興味深いです。

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「総員起シ」「関東大震災」「戦艦武蔵」「漂流記の魅力」などの作品で有名な歴史小説家の吉村昭氏も「三陸海岸大津波」という作品を残しています。

       三陸海岸大津波 (文春文庫) 関東大震災 (文春文庫)

自然が相手では人間の力には及ばない部分があるとはいえ、防災対策をする限りは、ものすごく長い時間軸で歴史に学ぶ必要がありそうです。

      事故と災害の歴史館―“あの時”から何を学ぶか (中災防新書) 津波災害――減災社会を築く (岩波新書)

*以下にも参加しています。

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