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2011年3月24日 (木)

救助隊自身の震災被害

東日本大震災では、テレビの情報からだけでも、民間・行政関係者の大被害の他、消防車が何台も津波に巻き込まれていたり、消防団員や警察官が何名も殉職されていたり、救助する側も被害を受けている旨が報じられていますが、やはり自衛隊と隊員自身にも損害が出ているようです。

20110314
(2011.3/14 へりによるホイスト救助 防衛省/自衛隊)

”東日本大地震 想像を絶する惨状 必死の捜索救助 / 自衛隊施設も大きな被害 松島基地 F2戦闘機18機など冠水” (朝雲 2011.3/17付)

自衛隊の新聞「朝雲」のこの記事によると、東日本所在の部隊は大半が被害または影響を受けているようで、遠くは硫黄島の基地でも断層に亀裂を確認したそうです。また、3月23日のフジテレビ「とくダネ!」の報道では、仙台空港と同じく、空自松島基地も津波で大損害が出て、ライフラインが今でも寸断されている(その為、災害派遣の隊員が基地に戻っても暖房もない状態)他、所属の航空機が使用不能となり、救難ヘリも冠水したため、救助活動に飛べなかった模様です。他の基地に連絡して、すぐに被災地救助に向かってもらったそうですが、広報担当者の無念そうな顔が印象的でした。

日本の場合、飛行場は概ね山奥か海の近くに作るしかないので、いかんともしがたい話です。

いうまでもなく、福島第一原発事故現場で作業にあたっている方も大変な危険にさらされているわけで、頭の下がる思いです。

*朝雲新聞社のHP

*防衛省のHP

・2010松島基地航空祭  東北地方太平洋沖地震
(空自ファンの方が松島基地応援のために作った動画)

松島基地所属のT4ブルーインパルス6機は行事のため芦屋基地(福岡)に移動していて無事で、6機は当面、芦屋基地に避難するとのことです。

それから、精神面において、被災者の方の”PTSD(心的外傷後ストレス障害)”は最近広く知られていますが、災害現場で活動する救助隊員の”惨事ストレス”も忘れてはいけないことです。あまりにも悲惨な現場を多く見ることで、救助のプロといえども過重なストレスにさらされるのです。

以前(日本では阪神・淡路大震災より前)は、「災害心理学」といえば、「流言飛語・デマ」の研究がほとんどで、被災者の心理や、まして救助側の心理について注目され出したのは近年になってからだそうです。研究があったとしても「戦時」における兵士たちの心理(シェル・ショックや戦争神経症など)が主で、災害時の救援隊のメンタル面の対策が考えられるようになったのは、ごく最近です。

*今回の大災害では、報道関係者にさえ精神面に不調を訴える人が続出しているそうです。(2011.3/28 夕刊フジ他)

これからは被災者の生活再建とともに、特に子供たちのことも含め、震災に関わっている全ての人々のメンタル面のケアも大切だと思います。簡単ではないと思いますが。

(参考サイト)
日本トラウマティック・ストレス学会
大震災支援情報サイト

(参考書籍)
災害とトラウマ 阪神・淡路大震災と子どもの心身―災害・トラウマ・ストレス 災害ユートピア―なぜそのとき特別な共同体が立ち上るのか
防災人間科学 消防士を救え!―災害救援者のための惨事ストレス対策講座 女子アナ・吏良の海上自衛隊メンタルヘルス奮闘記

参考記事:◎防災情報のサイトまとめ(2011.3/13)

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