自衛隊の災害派遣と日赤の特殊医療救護車-役に立った備え
今回の東日本の大震災では、警察・消防・行政・日赤など、被災地の地元ボランティアも含めて、あらゆる機関が全力で対応していますが、中でも自衛隊では、偶然にも今年2月に、陸自東部方面隊主催で「大規模震災対処兵站(へいたん)演習」が、陸自駒門駐屯地、空自浜松基地(いずれも静岡県)を中心に行われていました。
*大規模震災対処 駒門で初の兵站演習 11万隊員の糧食など集積 (朝雲 2011.2/24)
*<グラフ>震災対処大規模兵站演習2011.2.14~18 駒門駐屯地ほか (同)
・朝雲新聞社(防衛問題専門紙)HPトップ
…ちなみに「朝雲」が媒体名で、発行会社名が「朝雲新聞社」です。
*防衛省・自衛隊 「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震関連情報」
・防衛省・自衛隊のHPトップ
想定はM8.0クラスの東海地震でしたが、”兵站”(前線部隊の後方支援や補給活動のこと)に焦点を当てた震災対処の大規模演習は初めてだったとのことです。
これが、前兆現象は全く観測されていなかった東北沖を震源とするM 9.0の大地震と大津波の直前に行われており、この時の演習での経験は、現在の災害派遣活動にも生かされているだろうと思います。
(主な被災地の地域は東北方面隊の管区ですが、災害派遣では統合任務部隊が編成され、東部方面隊はもちろん、全国の陸海空自部隊が出動中)
さらに、防衛省は、普段は民間企業などに勤めている「予備自衛官」と「即応予備自衛官」を制度創設以来、初めて実任務で招集・投入することを決定しました。
*自衛隊10万人態勢に、首相指示 被災者救出で (47NEWS 2011.3/13)
*政府、予備自衛官の投入決定 被災地に1万人規模 (47NEWS 2011.3/16)
原発事故も含め、震災・津波の被害は筆舌に尽くしがたいものですが、1995年の阪神・淡路大震災や、その後の毒ガステロ事件でショックを受けて以来、日本人の非常事態への備えは、完全ではないにしろ無駄ではなかったと思います。
(演習に”兵站”の用語を使えるようになったのも、時代の移り変わりを感じますが)
米軍の「トモダチ作戦」をはじめ、世界中から日本へ支援の手が差し伸べられていますが、これも今までの日本が行ってきた国際災害救助・援助の実績があればこそです。
それから、日本赤十字社の「特殊医療救護車」も活躍しています。この特殊救護車は全国の日赤病院の中でも、熊本と東京にしかない、車内で手術も可能な”スーパーアンビュランス(スーパー救急車)”です。
ちなみに、熊本は日赤発祥の地で、肥前(今の佐賀県)出身の佐野常民が設立、1877年の西南戦争で活動した博愛社が日赤の前身です。
また、1888年の磐梯山噴火で、世界の赤十字としても初の平時救護(それまでは「戦時」救護のみ)活動が行われ、これは日赤初の災害救護活動ともなりました。
今後も災害対策を怠ることはできないです。
*以下にも参加しています。
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