ドイツが徴兵制をようやく廃止。
ドイツの徴兵制度が今年7月1日、ようやく廃止されるそうです。
*▽ 徴兵制と公営ボランティア(47NEWS 47トピックス・プレミアム 2011.4/23)
※これは2005-2006年「日本におけるドイツ年」の公式マスコット”Die Maus”(=独語。Dieは女性名詞の定冠詞、Mausはねずみ)と、当時の公式ロゴマーク。 ちなみに、2010年10月~2011年10月は「日独交流150周年」でいろいろな催しが行われています。
冷戦中は国が分断されて東西対立の最前線だったドイツは、冷戦が90年代初めに終結した後は、統一ドイツの周辺国が全て同じNATO加盟国か永世中立国(スイスとオーストリア)という、国防上は理想的な状態。
それがなぜ、今まで徴兵制が続いていたかと言うと、「良心的兵役拒否者」が義務的に福祉の現場で働いていて、こちらがなんと年間9万人もいるから。
9万人が一度に病院や福祉の現場から消えたら一大事なので、逆に徴兵制が続いていたのでした。
それで、徴兵制の廃止にあたって連邦政府は知恵をしぼり、「連邦ボランティア制度」という、男女を問わず、年齢制限もなく、だれでも自由意志で志願することのできる”公営ボランティア”を考案。
期間は半年から2年で、各種の社会奉仕活動に従事し、宿泊場所や食事が提供され、月額4万円程度の「小遣い」まで支給されるとのこと。
しかし、記事でも心配されているように、これでは安直な失業対策に変質しかねないという不安を誰しもがぬぐえません。難しいところです。
Bewerbertage : ドイツ連邦軍の体験入隊の様子。
(YouTubeのBundeswehrのチャンネルから)
※もっとも、ドイツ連邦軍の組織も冷戦後に大改革が行われ、後方支援と医療・衛生部隊は陸海空別ではなく、統合された部隊になっています。
Die Bundeswehr vor der Radikalreform | Politik Direkt.
(たぶん、政治ニュースの”連邦軍の急進的(抜本的)改革”関連の話題で、大臣の衛生部隊視察などの話だと思います…。YouTubeのDeutsche Welle(ドイチェ ベレ:ドイツ国際放送)のチャンネルから。Deutsche Welle
も昔は日本語の短波放送をしていてBCLマニアが良く聞いていたものですが。最近は外国の短波による日本語国際放送はめっきり減ってしまいました)
※ちなみに、ドイツ連邦軍はDie Bundeswehr(ブンデス・ヴェーア)、サッカーのブンデス・リーガ(連邦リーグ)はDie Bundesliga、ドイツ連邦共和国はDie Bundesrepublik Deutschland(ブンデス・リプブリーク ドイッチュラント)であります(なぜか全部女性名詞)。
一方、我が日本では、冷戦後はかえって安全保障環境が悪化したような気がしなくもないが、それで徴兵制を導入せよという声は、憲法の問題もあるし、大きくはありません。
とはいえ、「若者を鍛えろ」とか「同世代の共通体験があった方がよい」との意見は戦前・戦中世代からは良く聞く話。
私としては、深刻な福祉現場や消防団の人手不足、引きこもりや独居者の社会的孤立化の防止、地域コミュニティの活性化、防災対策、ひいては男女の出会いを促進して晩婚化・少子化対策のために、”年齢性別不問(?)の有期義務社会奉仕制度”(義務をボランティアというのは混乱を招くだけなので)を議論してもいいのでは、と思っています。
”奉仕”内容も、介護や福祉、消防団、市民防災組織など、いろいろコースがあれば、国民の理解も得やすいかなという気がします。
”新○○主義”といいつつ、19世紀懐古型や机上の原理主義みたいな話をするのではなく、21世紀に見合った社会制度が必要なのではないかと思います。
参考記事:いまどきの自衛官募集ポスター (2011.4/19)
なお、下のビデオは陸上自衛隊東部方面隊イメージキャラクター「あづまくん」(”す”でなく”つ”に濁点。東男ってことです)の陸自隊員の生活紹介(前・後篇)。YouTube陸自チャンネルからです。
*以下にも参加しています。
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