ディズニーリゾートの危機管理
2011年3月11日の東日本大震災が発生した当日の対応について、各方面から称賛を浴びているのが東京ディズニーリゾート(オリエンタルランド)。
*オリエンタルランド――マニュアル超え危機管理(大震災企業はどう動いた) 2011年04月16日 / 日本経済新聞・朝刊(「SECURITY SHOW」のHP・ニュース)
震度5強の揺れに襲われた発震時、ゲストとキャスト合わせて約7万人が園内に。これが地盤対策も含めた耐震工法と日ごろからの対策・訓練が功を奏して、園外の駐車場や通路は液状化したものの、園内設備の被害は軽微で、約5万5千人のゲストも全員無事。
国の指針を受けて浦安市と協力して作った2008年策定の「地震対策基本計画」を初めて発動。すぐに常時設置されているECC(エマージェンシー・コントロール・センター)が「地震対策統括本部」に変わり、大半がアルバイトの全従業員(キャスト)が、その場のゲスト全員を、そして、園内で夜を明かすことになった約2万人のゲストは翌朝に、最寄りの舞浜駅などに送り出すまで、種々の前例などにとらわれず、冷静に笑顔で対応したとの由。
「ゲストの安全を第一」に、アルバイトらが自らの判断で、販売品のぬいぐるみを頭部保護のために、また、同じく売り物のクッキーなどを非常食として、ゲストに配布するなどして対応。非常用の専用備蓄食料品も十分だったよう(並の自治体を超える備え)です。
※YouTubeに投稿されていた地震発生時の様子です。
※「パークは安全です!」とアナウンスで言い切る自信も注目に値しますね。
ブレの無い目的意識とプロ意識、柔軟に対応できる整理された組織、日ごろの備えと年間160回を超える日常的な訓練など、普段の備えが見事に発揮されたとのことです。
ちなみに、デイズニーテーマパークの行動基準が「SCSE」。
Safety(安全)・Courtesy(礼儀正しさ)・Show(ショー)・Efficiency(効率)の頭文字で、特に強調されるのが、S(安全)が常に第一との精神。
この精神を全て逆にしたかのような組織が最近多いように感じるのは困ったことです。事件・事故を引き起こしたら、せっかくのコスト削減努力も築いた信用も全て無駄になってしまいます。気をつけましょう。
※(株)オリエンタルランドのHP → *CSR情報より
(↑ 東京ディズニーリゾートのHPもこちらからどうぞ)
*テーマパークの安全(SCSEなどについて)
*リスク管理(ECCなどについて)と情報セキュリティ
*安全衛生(危険予知トレーニングなどについて)
…マネジメントの見出しに「誠実なマネジメント」とついていますが、これはドラッカーの言う「マネジメントの真摯さ」の精神なんでしょうか?
*浦安市の地域防災計画
*以下にも参加しています。
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