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2013年12月の6件の記事

2013年12月28日 (土)

使える?ミリ本「SAS式 メンタルトレーニング・マニュアル」

根性も体力から。

SAS・特殊部隊式 図解メンタルトレーニング・マニュアル(1900円+税)
SAS・特殊部隊式 図解メンタルトレーニング・マニュアル

最近、軍事関係の話が多くて恐縮です。

さて、いわゆるミリ本(ミリタリー・軍事関連本)は、一般人が読んでも実用には直結しない、ニュースや映画を見るときとか、アウトドアスポーツやサバイバルゲームでもするときとか、防災関連で調べるとか、こういった場合の「参考情報」以上のものにはなかなかならないのがほとんどですが、この本は多少、一般人のトレーニングにも応用できるかもしれません。

著者はSAS(英国特殊空挺部隊)の本ではお馴染みのクリス・マクナブ氏。要するに特殊部隊の養成訓練マニュアルを一般向けに紹介しているのですが、第1章で「兵士」の心がまえ的なことを紹介した後、すぐ次の第2章では「栄養と休息」が来て、「精神力の維持も体力・健康から」ということが科学的に説明されます(「脂肪の消化には大量の水分が必要」とわざわざ1頁をとって解説)。この点、「スポーツ科学」の本のようでもあります。

以下、表題どおり、主にメンタル面について(戦闘技術の話はほとんどありません)、リーダーシップやチームワーク、課題解決、困難に耐えること、兵士の倫理観倫理観に欠ける兵士は規律にも欠け、残虐行為を起こしやすく、作戦全体に悪影響を及ぼすということに注意喚起されています)、ストレス管理などについて述べられており、いわゆる「根性論」「精神主義」とは無縁です(もちろん生身の人間集団たる実際の軍隊ではこう理想どおりにはいかないでしょうが)。

といっても、それだけなら、普通のスポーツ科学の本を読めばいいわけですが、現代では、一般人も事故やテロや災害に遭遇して、凄惨な状況に巻き込まれることもあるので、そういう場合を想定するなら、この本にでてくる「トラウマとショック」(第7章)などは参考になるかもしれません(なお、応急手当の紹介もあります)。

トラウマへの対処などは、精神医学か、消防士向けなどの専門書ならありますが、文字通り「専門書」で、難しい本が多いので、こちらの方が多少は読み易く、「スポーツ科学+非常事態対処」が一冊にまとまっていて、入手もしやすいかなと思い、ご紹介です。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

世界では軍隊も変わっています。頭数だけ揃えるのが最優先だった徴兵の時代は終わり、軍隊はいまやプロの技術者集団。いつまでも、敗戦までの旧日本軍方式に固執する人の居場所は少なくとも先進国にはもうないでしょう(北朝鮮や大陸中国ならどうか知らんけど)。特に、PKO活動などに際し、旧軍式傲慢根性論を持ちだしたら、現地の状況や現場の隊員の任務遂行を悪化させるだけ(この点、自衛隊は非常に慎重にやっているようです)。日本国民も、もう一度「敗戦」するのはお断りですし。

こうして考えてみると、一見戦争に強そうな全体主義・軍国主義国家がなぜ(最初の奇襲攻撃は成功しても)、必ず最後には戦争で負けるか、または自己崩壊するか? 実は単純明快。

強権主義国家では、権力のある者は支離滅裂な思いつき命令を連発して、しかも無責任。また、下の者は上に従うだけ。国全体が硬直した「マニュアル社会」。誰もまともに自分の頭を使わない。意見をいう者はぶち込まれる。一見団結しているように見えて、それは外的強制によるもの。「威張りたがりやの裸の王様」と「指示待ち人間の集団」の組み合わせでは、ハナから先が見えている。

それに比べ、民主主義の国では何をするにしても、知恵を絞って関係者と利害調整を図らなければならないし、ヘマをすれば非難の嵐。自由社会=競争社会の側面もある。要するに、国民個々人全ての分野・段階で「課題解決能力」に日々雲泥の差がついてしまっているわけです。結局、ソレが総合的国力となって現れる。普段はみんなバラバラでも、一旦、国民各自が自発的に団結すれば強く(むしろ熱狂があると怖い)、一方で、組織の運用に柔軟性もある。

チームの団結も個人が結束するから意味があるので、金太郎飴の集団では烏合の衆にすぎない。できそこないのロボットもどきの兵隊さんでは人海戦術以外はやりようが無いです。

また、全体主義の社会では、個人の意見は圧殺されて集団を優先するわけだが、各人が属する「集団」や「派閥」もまた、数知れず存在するのだから、集団同士が抗争を始めたら歯止めなし。アナクロさんの「願望」とは全く逆に、「全体主義・集団主義」の社会の方が、「たこつぼ集団」や「派閥」を多数出現させ、派閥抗争により、社会や国家は四分五裂となり、分裂する。例外などはない。最悪の場合は内戦となる。いわば、国の中に無数のミニ国家が出現して戦国時代化するわけだ。

(各集団が、勝手に「お国のため」と主張し合い、意見が違う者を非国民呼ばわりして抗争を始める。「全体主義」が「国家崩壊」に一直線なのは当然の成り行き。こんなの、冷戦中、日本が「自由主義陣営」の一員だったころは常識だったが、最近、負けた戦争の言い訳と不祥事ばかりの「愛国ビジネス」の連中が「昔は良かった」論を言い募ってウンザリだいたい集団主義の人間というのは、群れから切り離されて独りボッチになった時点で、精神的に根無し草となり、ほとんどはアウト。また、全体主義国家のトップは常に周囲が命令に従うから、戦争するときも、「敵」までが同じように自分に協力してくれるように思い込む。当然、作戦も、根本的な部分で、独りよがりで幼稚なものにならざるを得ない。見かけはコケ脅しで恐ろしいですけどね。それに、自分が集団主義だと、相手も同じだと考えがち。相手の「国」「軍隊」「集団」等々についても全部「一枚岩」だと考える。もちろん、実際には内部の各立場によって、多様な意見があるのに、それも見抜けない。しかも皮肉なことに全体主義の国の方こそ、各集団がタコツボ化して、かえって、てんでんばらばらに行動しがち。しかも建前では「一枚岩」となっている上に、「身内の恥は晒さない」&「自分らの既得権益や分け前はよそに渡さない」&「秘密の共有こそ内部の団結を高める」とばかりに秘密主義だから横の連携もない。全体主義の国が戦いに勝つなんてことがあれば、それこそ、むしろ例外。繰り返しになるが、「団結」は「自主自立」した人や団体がするから意味があるので、コピー集団を上や外から建前だけ縛っても、何の強さもありません。見掛け倒しです

かくて、個人がバラバラですぐに社会が崩壊するはず(まあ、個人が自律・自立できない民度の低い社会では、そういうこともあるでしょうが)の自由社会は自己調整機能が働いて、何時までたっても崩壊しないがあらゆる全体主義社会は、長くても3世代と持たずに自壊か日常的に混乱するのが普通。経済も回らないし、外部からの強制が緩んだとたんに手前勝手な民度の低いわがまま人間が勝手に暴走テロやクーデターが頻発した戦前・戦中の日本もそれに近い。逆に、自由な現代日本社会は全く安定しています。そういえば、お隣の中国・台湾の場合も、大陸中国がず~~っと、動乱・暴動だらけで民度の向上も見られないのに、台湾社会は安定してます。

むしろ、「国策(国家プロジェクト)遂行」にとっても、個人が直接国に忠誠を尽くす状態のほうが、人材の登用がしやすい。これは別に米英とかの話ではなくて、志士が日本中から出現した日本の明治維新のころの社会の雰囲気もそうだったはず。

「個人の活躍」が嫌いなのは、大概は「役人集団(軍隊も役所です!)」。それも、日本の場合は、世界的に左右の全体主義が流行った20世紀初めごろに、この海外からの輸入思想にかぶれた連中が、民族主義と軍国主義もどきの化粧をして主張していただけ。全く日本の文化の伝統などとは関係がない「全体主義」は「規格大量生産」「大不況」の一時期にだけ流行った思想でおまけに最後は全て破滅(自滅)しました。

(人間も「規格化」して「大量」に「兵隊」を揃えれば何でも勝てると単純に思ったのでしょう。思想にも流行があるのです。しかし、不易と流行という言葉があるように、一時の流行熱に浮かれるのは良くありません。それに、一般的に下っ端の兵隊レベルが優秀でまた、、トップの権限が肥大化するほど、反比例してトップは無能になっていくのが普通です)

ちなみに、第二次大戦中の日本では、「国家総動員」の掛け声とは裏腹に、陸海軍や各省庁はバラバラ以上に犬猿の仲。果ては陸軍が空母や潜水艦、海軍が戦車を造り、「帝国陸海軍相争い、その余力をもって米英と戦う」などと国民に馬鹿にされる始末。各軍部内の派閥抗争もひどかった。また、当時の軍の作戦や部隊運用は「お役所仕事」が最果てまで行き着いた硬直の極み。まさに末期の帝政ロシアや旧ソ連とソックリですが、これも「コミンテルンの陰謀」かな?「強権官僚」支配のたどり着く先はいつも同じというだけのこと。役人は権力の強さと能力が反比例する生き物です。

そして、国の滅亡を招いた強権官僚の言い訳はいつも同じで「私は法律通りにやっただけ責任ありません私が決めたわけじゃありません(じゃ誰だよ?それに何で遅れて自殺をはかったの?「自決」にしてもかわった方法ですな。TJ陸軍大臣兼総理ドノ)」という。今の自衛隊では「自分の頭を使う」ことや「自主性」が強調されているそうですが、これも旧軍時代の反省からきたもの。例の元空自“参謀総長”が好きなだけ「自己主張」できるのも、「敗戦」で「個人の意見が尊重される社会」になったお陰ですな。戦前・戦中なら個人の「意見」どころか、「命は鴻毛(鳥の羽根)よりも軽し」「一億玉砕」ですよ。そもそも戦争自体も「富国」のためにやってるわけだから、全くもって、手段と目的が主客転倒した官僚的な本末転倒さだ。

戦争では、兵士が「精強」であることは必要条件ではあっても、戦勝のための十分条件とは言えない。戦争は競技会じゃない(敵の得意技や新兵器は常に“無効化”や封じ込めを図られる。スポーツや受験だったら“反則負け”、ビジネスなら営業妨害になってしまうが、戦争ならこれが常態=普通)ですから。

チームのメンバーがお互いに(各特技を)カバーしあえるとか、練度・レベルが同じくらい、というのは、チームの強さにつながりますが、「全員が同質(金太郎飴)」というのは「全員の弱点が同じ」ということです。ここを勘違いしてはいけません。

十人十色なら、各人の強みも弱みも十色。倒すのは大変です。しかし、十人一色なら?

同一種が多数いるから「サンプル」も多数で、特徴のパターンを読みやすく、弱点を一個見つけたら、一挙に相手を全滅させられる、あるいは、一つの原因で全滅が起こる。これは注意すべきことです。

集団主義者というのは、個人では決断の責任をとりたくない、という無責任主義者のことです。

※こちらもオススメ (^o^)
MASTERキートン 完全版 コミック 全12巻完結セット (ビッグ コミックス〔スペシャル〕) MASTERキートン BD-BOX [Blu-ray]

SAS・特殊部隊 知的戦闘マニュアル―勝つためのメンタルトレーニング ブラヴォー・ツー・ゼロ―SAS兵士が語る湾岸戦争の壮絶な記録 (ハヤカワ文庫NF)

自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れを取る技術 女子アナ・吏良の海上自衛隊メンタルヘルス奮闘記

自衛隊の仕事術 巨大惨禍への精神医学的介入―自然災害・事故・戦争・テロ等への専門的備え

※この本も内容がALL in ONE であなどれません。
ボーイスカウト・フィールドブック

※第2次大戦で、「米軍が分析した日本軍」のレポートと、以前から定評のある「~軍の小失敗の研究」の日本軍ケース。 そして、旧陸軍では「対米戦闘教育」が戦争も終盤の昭和18年にもなって始まったことなど“自転組織”帝国陸軍での著者の直接の体験記。
日本軍と日本兵 米軍報告書は語る (講談社現代新書) 日本軍の小失敗の研究―現代に生かせる太平洋戦争の教訓 (光人社NF文庫) 一下級将校の見た帝国陸軍 (文春文庫)

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2013年12月16日 (月)

ロケ地・小豆島。実写版「魔女の宅急便」

ジブリアニメの名作「魔女の宅急便」が、実写化され、来年(2014年)3月1日に公開されますが、ロケは、「二十四の瞳」「八日目の蝉」の舞台・ロケ地として有名な小豆島で行われた、と、今日届いた香川県の県外向け広報誌「さぬき野」2013年冬号に書いてありました。

魔女の宅急便 [DVD] 魔女の宅急便 (福音館文庫 物語)

同号には香川出身の、「踊る大捜査線」などの監督・本広克行さんと県知事の対談も掲載されていて、映画特集号になっています。

※映画「魔女の宅急便」予告編

アニメの「魔女の宅急便」はヨーロッパ(風)の街が舞台でしたが、原作は東洋の街が舞台だそうで、実写版の方が原作に近いのかもしれません(すみません。読んでないので…)。

*「魔女の宅急便」(実写版)の公式サイト
*「魔女の宅急便」:原作者・角野栄子さんのサイト

Sanukino
*「さぬき野」2013年冬号のページ

*「小豆島旅ナビ」のサイト

日本の地中海・瀬戸内海に浮かぶオリーブ(や素麺や醤油など)の島・小豆島。実写版も期待したいです。

*こちらは「クロネコヤマトの宅急便」「宅急便」はヤマト運輸さんの登録商標。一般名詞では「宅配便」と言わないといけません。

※クロネコヤマト 「魔女の宅急便」 映画告知 1989

※小豆島の紹介(香川県)

関連記事 : 小豆島ロケの「八日目の蝉」が日本アカデミー賞で10冠!(2012.3/3)

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2013年12月15日 (日)

新刊紹介 : 「経済思想の巨人たち」

まだ読んでる途中ですが・・・。

経済を市場原理主義で放置しておくと、社会の格差がどんどん拡がっていくのを我々は目の当たりにしているわけですが、本書では、経済を過度に国家統制にすると、国自体が滅んでいく様子が、いろいろな思想家を紹介する中で説明されていて興味深いです。

経済思想の巨人たち (新潮文庫) 630円+税
経済思想の巨人たち (新潮文庫)

取り上げられているのは・・・ヘシオドス、管子、プラトン、アリストテレス、ディオゲネス、エピクロス、ゼノン、司馬遷、トマス・アクィナス、トマス・モア、デフォー、マンデヴィル、石田梅岩、ケネー、安藤昌益、ヒューム、アダム・スミス、ベンサム、海保青陵、マルサス、リカード、J・S・ミル、マルクス、福沢諭吉、ゾンバルト、マックス・ウェーバー、シュンペーター、ケインズ、北一輝、石橋湛山、ハイエク、コース、フリードマン、ブキャナン、アロー、ベッカーなどで、いわゆる「経済学者」ばかりでなく、古代から現代まで、国内外の思想家と社会に与えた影響が幅広く紹介されていて、そこが「経済学」ではなく「経済思想」の巨人紹介というわけで、歴史の本を読んでいるようでもあり、読みやすいです。

司馬遷の項目で説明されている、中国の歴代王朝の専売制と治乱興亡の関係の説明などは非常に興味深いです。

(※なお、本書は1997年に新潮選書で刊行されたものの文庫版です)

ソ連が90年代初頭に崩壊した時は、一時、「資本主義が勝った」みたいに触れ回ってた人たちがいて、それが、市場原理主義者の跋扈につながっていったようですが、ソ連の失敗というのは「国家独占資本主義」の「官僚統制」(国民に政府批判を許さない自由のない社会。労働者の休暇は多かったようですが)による「産業計画経済」が国民=消費者のニーズに対応しきれなくなったからで、要するに「自滅」しただけのこと。他方の「西側」では戦後「混合経済」(市場経済と計画経済を適度にミックス)と「福祉国家」で、競争と規制、自由と安定をうまくバランスさせてきたから社会が自壊せずに済んでいるので、「勝ち負け」といえるのか、私は疑問です。

(今の日本は官僚統制と競争放置がまだら模様に混在して、よくわからん状態になりましたな)

また、英国本国が戦後、経済で不振になったのを「福祉政策が行き過ぎて労働者が怠け者になったから」(それをサッチャーが改革したとか)という論調をよく聞きましたが、福祉国家は他にも多いし、英連邦の他の国は順調に経済成長しているのを見ると、これは違うんじゃないかと。むしろ、「戦争に勝ってしまった」ので、アメリカのような大陸国家&大人口の大衆社会でもなく、日本やドイツのように抜本的社会改革もできず、土地貴族や大富豪みたいなのが小さな島国で未だに生き残っていて、富が偏在(=一部で富が抱えこまれている=本人はいいが、社会的には存在しないも同じこと=悪く言えばカネのブラックホール)し、経済の血液たる貨幣の循環が悪いままだからじゃないか(財閥経済だった戦前の日本や今の韓国がそう。それで、「政府は(税金とかなんかで)“富の再分配”をちゃんとやれ」という声が強まる)と思います。

(推理小説でも、殺人犯の動機が概ね、米国だと「自分の事業の邪魔者を消す」で、英国だと「遺産目当て」。この違いは大きい)

サンダーバードを一家で運用できるような大富豪がいくら贅沢したって、社会全体にでてくるカネはしれたもの。年収1億の人1人より、年収500万の人20人を相手に商売したほうが、元のパイが同じでも、経済は活性化・成長するだろう、ということです(現在、多少ほころびが出ていますが、一時は1億総中流と言われ、社会全体が「小金持ち(プチブル?)」になった戦後日本がそうです)。

といっても、英国の場合、いまさら革命になることはないでしょうが、独仏が幅を利かすEUを脱退して(ユーロも使ってないし)、英連邦(インドもある)にアメリカを引き込んでFTAやTPPをやり、「大英語圏経済帝国」を画策したら、英本国経済も大復活、と考えられなくもない。

EUにしろ、「英語圏帝国」にしろ、日本にはマネができない話(協調はできる)。我が国の将来を考えると頭が痛いです。自分の将来の方はもはや胃が痛くなるが・・・。

ちなみに、大陸中国は「共産党」という名称の党が一党独裁していますが、建前ですらもはや共産主義などどこにもなく(この点は旧ソ連の方がずっとまし。また、キューバなど、米国の経済制裁が継続する中、教育・医療は無料の社会を実現している)、権力と腐敗で歪んだ拝金市場経済(?)があるだけ。しかし、言論の自由も人権もろくになく、これを例によって「東洋の文化」だとか「共産党は旧日本軍を追い出したから偉い」とか、屁理屈を捏ねている。だったら「拝金主義」や「汚職」、「対外膨張主義」「歴史復讐主義」も「東洋の文化」なんですかね? むしろ、近代西洋帝国主義の悪癖に近い気がするが。秘密警察があるような強権国家の寿命はだいたい現役3世代(70年前後)くらいが相場。“3代目”ばかりの彼の国。再びの激動の時代は近そうです。

中国官尊民卑思想の源流たる儒教や科挙の本場(未だに、これに憧れる一部日本人もいるようだ…イヤハヤ -_-; )。「国民全部が公務員」「官僚統治」の「共産党支配体制」は、中国社会の伝統に馴染んでいるのかもしれませんが、歴代王朝が塩などの生活必需品を専売制にして利益を独占→庶民は安いものを求めるので闇取引が横行→社会は混乱し、闇商人や地方軍閥が巨大化→内乱になって王朝が崩壊。この繰り返しが中国の歴史。

…ということが司馬遷の項目で説明されてます。短いけど、この指摘だけでも読む価値があるように思います。

他にも、福沢諭吉(現在1万円札の肖像だ)ケインズの項目なども示唆に富みます。

最近、「国家なくして国民なし」と、民主主義国家の政治家とは思えないお考えの政治家が失言と訂正を繰り返して「話題」になってますが、抽象的な「国家」が実在の人間集団たる国民より先にあるわけ無いでしょう(単語をいろいろ入れ替えると面白いですよね。「党なくして党員なし」とか。党員が誰もいなくなっても、この方の「党」は残るのかしら?それとも「離党者には制裁」でも加えるのか?まるで独裁国家の「党」、でなければ暴力団かカルト宗教のやり方。さすがは“オタク政治屋”)。政治家が自分への投票者よりも先に存在して、選挙民よりも偉いつもりなんですかね? それとも、「国家株式会社」が「国民(税金を払っている方)」を雇っているつもりなのか何もかも主客が転倒してますな。この方、在籍政党からして間違ってるのでは。まして、国の経済運営を任せるのは絶対無理。慶応大学の学祖・福沢諭吉先生のダメ出し確実です。

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2013年12月 8日 (日)

サンタ追跡はNORAD+MS vs Google で。

毎年恒例のNORAD(北アメリカ航空宇宙防衛司令部)サンタ追跡

Norad

今年はタブレット端末の対応が強化されたようです。

*NORAD の「サンタ追跡サイト」オープン! ― 今年はタブレット対応を強化(japan.internet.com 2013.12/4)

※NORAD Tracks Santa Command Video 2013
(サンタを追跡する司令部の模様です (^o^) )

※ Norad Tracks Santa Trailer Video 2013
(戦闘機が「護衛」してるようです…)

*NORAD Tracks Santa サイト

*NORAD Tracks Santa (YouTubeのチャンネル)

2007~2011年までは「サンタの追跡ライブ」にGoogleがワールド・マップを提供していましたが、2012年からはMSのマップになりました。

そういうわけで、Googleは昨年からは独自にサンタ追跡のサイトを公開。今年もやってます。

*Google Santatracker サイト

*サンタめぐりMSとGoogleが火花 NORAD対抗の追跡ページをGoogleが公開(ITmediaニュース 2012.12/21)

今後は、主だったWebマップのサービス会社がサンタ追跡のサイトを立ち上げたりするかも。

とりあえず、現在は2強対決と言うところでしょうか。

「クリスマス商戦」の新形態…かな? 

関連記事 : この年末のNORADは忙しそうです。(2012.12/12)

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2013年12月 6日 (金)

新刊紹介 : 「息子がドイツの徴兵制から学んだこと」

我が国のアナクロさんが期待するようなことは、あまり出てきません。

「息子がドイツの徴兵制から学んだこと」(祥伝社新書 780円+税)
息子がドイツの徴兵制から学んだこと(祥伝社新書)

ドイツ人男性と結婚してドイツで息子を育てた日本人女性の、息子さんを現在のドイツ連邦軍へ兵役に行かせた時の体験記です。

日本ではあいもかわらず「ナチスのドイツ国防軍(Wehrmacht/ヴェーア・マハト)」の本なら山のようにありますが(「趣味」のコーナーにね)、現在の「ドイツ連邦軍(Bundeswehr/ブンデス・ヴェーア)」に関するものは、非常に少ないです。

その意味でも本書は貴重なレポート。息子さんが受けた訓練内容や鍛えられて立派になっていく様子が興味深いです。

著者自身は、戦後日本の平和ボケと軟弱ぶり、他国任せの安全保障政策を相当嘆いてはおられます(他方、日本語ではあまり問題にならないでしょうが、本来は結構デリケートな問題である現代ドイツ軍の呼称を「国防軍」と連発している)。

ただし、だからといって、「(特高警察がいたような)明治憲法時代が懐かしい」「(西)ドイツは憲法を何回も改正しているのに日本は…」などと安直に懐古趣味に走る「官僚統制」大好きな方々が期待するような事実は(当たり前ですが)ほとんどでてきません。

ドイツでは、ナチスやヒトラーに対する反発はありますが、軍部が暴走したわけではないので、「軍アレルギー」はなく、とはいえ、大戦時の非人道的行為に対する反省から、現在では徴兵があった時でも「良心的兵役拒否」が認められ、「抗命権」も認められています(日本には徴兵制はありませんが、抗命権もありません)。この本では出てきませんが、兵士の人権を守るための公の組織もあるそうです(ドイツ国会の「軍事オンブズマン制度」など。自衛隊にも「防衛監察本部」がありますが、どちらかというと、汚職や情報漏洩などの不祥事防止が主目的のようです)。

つまり、兵士は市民・国民が制服を着て職務に付いているだけであって「隔離された集団」ではないからです。

我が国の某政党やらの憲法草案のように「集団で危険な仕事する兵隊の人権は、はじめっから制限を憲法に明記」して、社会から隔離しようか、などという考え(時代に逆行する、およそ正常な頭脳とは思えない考えですな)とは対極にあります。

実のところ、「あくまで同じ国民の組織」という考えは現在の自衛隊もそうなのですが、「国防軍昇格」の暁には「一般人と軍人は違う」ようにしたいというアホ、もといアナクロ勢力の考えは「官尊民卑」思考の変形であって、完全な時代錯誤。これでは国防軍誕生と同時に納税者から「反軍・反政府運動」が芽生えることでしょう。また、「人権まで制限された危険な職業」である「国防軍人」を志願するのは結果的に「他に仕事のない人」ばかりになって兵士の質は極端に低下。社会の吹き溜まりと化す。治安は悪くなるばっかりですね。

また、現代のドイツ軍兵士は「私は、ドイツ連邦共和国に誠実に務めドイツ国民の自由と権利のために勇敢に国を防衛します」といった意味の宣誓をするそうです。さらに、かつての首相ヘルムート・シュミット氏は兵士らに対し、式典で「この国はあなたたちの信頼を悪用しません」と述べたとか。

著者は、日本も早く、若者が同様の宣誓をするような自立した国家になるべきだとお考えのようです。

といっても、日本の政治家や官僚は「国民の自由と権利」自体が大嫌い(好きなのは、旧ソ連や中共のような国家統制。資本主義と言ってもお好きなのは「国家資本主義」。自分らは現憲法が保障する「自由」を目一杯満喫しているが、実は「自由主義」が本音では大嫌い。赤い旗の代わりに菊マークの旗を振ってるだけ。これでアメリカとは未だに「反共同盟」のつもりでいる。バカなの?)なので、とてもEUの主要国でもあるドイツのようにはいかないでしょう。

「新日本国防軍」がなし崩し的にできたら、たぶん宣誓文の内容の意味は大体こうなる・・・「私は国のためにすべてを捧げます」「国」とは国家国民でなくて「政府」のこと。「国民のために」の文言は絶対に入らずただ兵士に犠牲だけを求めることでしょう。要するに「兵隊は死ね」ってこと。納税者や国民は置いてけぼり。「国防」より「治安」重視の、存在意義が不明の組織となる。ま、今の中共の「人民解放軍」みたいになっちゃうかな)

日本では、政党名に「自由」の語をつけていても、憲法改正草案で「個人の尊重」も「国民の自由」の語も完全に削って「国家が兵士の信頼を悪用しない」どころか「憲法」に「兵士(や公務員)の人権は制限する」とわざわざ明記したがる連中。現行憲法も尊重しないと公言するのだから恐れ入ります(こう指摘すると「いや東洋の日本と欧米は価値観が違うから」と屁理屈を言い出す。どう違うかは不明ですが。

そもそも、「成文憲法」「民族国家」の考え方自体が西洋発祥近代民族国家の誕生は、日本の一部政治家が嫌いな「自由・平等・博愛」がスローガンの「フランス革命」による。これではじめて、国家による「国民の徴兵」が可能となった。

また、ナポレオンの一番の自慢も「ナポレオン法典」を整備したこと。フランス革命以前では、民族より宗教や階級の違いの方が重要。日本人の場合なら明治以前は「日本国」よりも各藩の家中の主従関係や地域村落の共同体が最重要。江戸時代にもどりたいのかね?)。ドイツとは政治状況が全く違います。まして改正の回数など関係ありません

(そもそも、改憲の方向性がドイツは「人権の拡大」であって、日本の全体主義的復古型“秩序”至上主義の「草案」を作る連中とは全く逆。“秩序を乱す”って暴動みたいなことしか連想しない人もいるでしょうが、強権国家主義者の考えは、政府や役人の意に反することは全て“秩序を乱す行為”。例えば政府のトンチンカンな経済政策を批判しただけでも“経済秩序を混乱させた”→“国家に害を与えた”で逮捕、とこうなるわけ。大陸中国がそうでしょ。“公共の福祉”の概念とは全く違います!

現在の日本の周辺国は、もはや戦後ではなく「戦前の日本」の背中を追いかけているような状況なので、対抗上、強権国家を作って、自分が支配者になりたい(目的はこれ。彼らの“敵”は外国ではなく同胞のはずの日本国民)と思う勢力があるのでしょうが、まさに「反動」ですな。これじゃ暴力団同士の抗争と同レベル。アナクロ懐古趣味で解決することなどないでしょう。まして、「アナクロ」が戦中(の苦労を知っている)派でなく、逆に戦後生まれのそれもオボッチャマというのでは話にならない。まず、自分が「兵役体験」でもすれば? と思います。ワガママな上に、健康状態が不安で全く「使えない」かもしれませんがね。

ちなみに、自衛隊員の入隊の宣誓では「ことに当たっては自らの危険を顧みず」という箇所ばかり強調して紹介されますが、その前段にちゃんと「日本国憲法や法令を遵守し」とあります。

(日本国が「交戦権を放棄」しているとは、要するに、侵略はもちろん、「砲艦外交」みたいなことはしませんよ、という意味。自衛のための国土防衛や国際貢献はもちろん合憲です、と思います)

自分の好きなとこだけ切り取ってわめきたてるのはマスコミよりも、危険な政治家や官僚の常套手段。無限の拡大解釈が可能な「特定秘密保護法案」の運用も、国民が十分に監視していないと、著者が心配するように役人や「自衛隊内の不祥事隠し」もひどくなってしまうのではないかと思います。

こういう現代日本の社会状況を踏まえた上で読めば、なかなか興味深い本です。

参考記事 :

・ドイツが徴兵制をようやく廃止。(2011.5/18) 

・憲法が話題なので。(2013.5/7)

・本は焼かずに読むものです。(2013.5/4)

・新刊紹介 : 「臨時軍事費特別会計」(2013.11/17)

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2013年12月 1日 (日)

アニメ「かぐや姫の物語」レビュー

12月1日は映画の日です。というわけでジブリ作品の「かぐや姫の物語」を見てきました。

かぐや姫の物語 ビジュアルガイド (アニメ関係単行本)
ジ・アート・オブ かぐや姫の物語 かぐや姫の物語: スタジオジブリ絵コンテ全集20

(高畑勲監督作品 製作・スタジオジブリ 配給・東宝 137分 2013年)

いくら裕福でも、自分の人生を自分で決められなかったり、喜怒哀楽のない生活というのは、つらいですね。

作品全体としては、かぐや姫の心の動きを表現するところが現代的。

子供時代に里山で幼なじみたちとのびのび遊んだり(この辺は「まんが日本昔ばなし」の雰囲気)、都のきらびやかな風景や満開の桜に見入ったり、お屋敷で最初はしゃぎ回ったり、後には「お歯黒」を嫌がったり、「カゴの鳥」を見つめたり、言い寄る男どものウソを見抜いたり(色男の公達の口車に乗せられたりしていたら、平安版「レ・ミゼラブル」になってしまったかも)、「私は見世物じゃない」とばかりに怒ったり、十二単(?)を脱ぎ捨てながら屋敷を飛び出したり(ちなみに「正装(上衣)を脱ぎ捨てる」シーンが多いです)、御門に後ろからいきなり抱きつかれて「ひええええ!!!!」的表情をしたり(これは見もの ^_^; )、「自分は何者?」と悩んだり。

本作のかぐや姫は、情が深く、喜怒哀楽も激しくて(ツンデレそのもの)、存分に生きる歓びを表現しています。一方で、周囲の人々はどちらかと言うと浮世ならぬ憂世の苦労を表現している感じですが、観ていると、これが結構、育て親の「翁」(声は昨年亡くなられた地井武男さん。プレスコ=作画前収録のために全編で活躍です)や「媼(おうな)」に感情移入(かぐや姫を心配したり、期待したり、真意をはかりかねたり)してしまうのが不思議な感じでした(見る人の年齢などにもよるのでしょうが)。

また、いわゆる高貴な方々が大概情けないのに対し、庶民の方は力強く描かれています。いかにも近代文芸作品の雰囲気ではあります。

あまり見ていませんが、昨年100歳でなくなった新藤兼人監督の作品の雰囲気かな? 特にかぐや姫の表情の表現などは、新藤監督作品に出演していた(奥さんの)乙羽信子さんのような感じ…かな(「裸の島」とか…)?

(ちなみに、私は晩年の新藤監督が赤坂で朝の散歩をしているのを何度か見かけたことがある)

画風は、高畑監督がインタビューでもよく例に出す、フレデリック・バック監督の作品のように、スケッチ画や水彩画を動かしている感じですが(「ホーホケキョ となりの山田くん」同様、線が“閉じてない”ので、これに彩色して動かすのはやはり大変でしょう)、全体としては透明感のある、明るい色調です。

本作品では、通常の竹取物語や「かぐや姫」では、ほとんど語られない、かぐや姫の幼少時代が描かれていて、また、本作独自のキャラクターが登場しますが、これが、なかなか味わい深いです。

赤ちゃんが初めて立ったり歩いたりとかの子どもの成長の喜びと、里山ののどかな暮らしが物語の前半に凝縮されていて、後半の都の窮屈な暮らしと対比されているようです。

人物では「捨丸」という男の幼なじみが、かぐや姫の「初恋」(?)のお相手として重要な役。 パンフレットによると、本作は高畑・宮崎コンビのアニメ・「アルプスの少女ハイジ」の「竹取物語版」ともいえるそうですが、すると、ハイジ=かぐや姫なら、捨丸=ペーターなのでしょう。

長者になった竹取翁一家が都に上がった後、お屋敷で教育係をする「相模」という女性は、幕末が舞台のNHK大河ドラマ「篤姫」の大奥教育係「幾島」みたいな感じ(なお、「捨丸」はNHK「篤姫」の「尚五郎さん(小松帯刀)」のようでもある)。また、「パタリロ」みたいな顔をした、かぐや姫のお付きの「女童(めのわらわ)」がけっこう曲者で面白い。

それと、最後にかぐや姫をお迎えに来る月の方々。いかにも「天人」な方々ですが、お気楽なお囃子音楽を奏でながら登場する割には、相手に有無を全く言わせないところは、恐ろしくもあります。

なお、翁は「讃岐造(さぬきのみやつこ)」といい(本作ではこれ。似た発音の別名の伝承もある)、うどん県の讃岐(の氏族)と関係があるとかないとか、いろいろ説があるようです。

※「かぐや姫の物語」予告編:The Tale of Princess Kaguya Official Extended Trailer (2013) - Studio Ghibli Film HD(YouTube)

※これはローソンでもらってきたジブリ・グッズのチラシですが…「女童」はコイツです。 (^o^)
Photo
*LAWSON「かぐや姫の物語」グッズのネットショプのサイト

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NHK大河ドラマ 篤姫-総集編-DVD-BOX まんが日本昔ばなし DVD-BOX 第1集(5枚組)

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※「竹取物語」は、いろいろな人の現代語訳があります。

竹取物語(全) (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス) 竹取物語 (角川文庫)

現代語訳 竹取物語 (河出文庫) 竹取物語・伊勢物語 (21世紀版少年少女古典文学館)

※もし、かぐや姫が色好みの公達の口車に乗せられていたら、「ああ無情(レ・ミゼラブル)」の悲劇の始まりです。たぶん。(^_^;)

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で、アニメで画風・作風が連想される作品としては、

*フレデリック・バック監督 「木を植えた男」(1987年・アカデミー賞)
*山村浩二監督 「頭山」(世界各地で受賞・2002年アカデミー賞短編アニメ部門でノミネート(日本人初)や「カフカ 田舎医者」
*加藤久仁生監督 「つみきのいえ」(2008年・アカデミー賞)

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などがあるかと思いますが、アメリカのアカデミー賞のアニメ部門で受賞してきている作品群と画風・作風が似ている(といっても短編部門の方にですが)ので、宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」(2003年・アカデミー長編アニメ賞)に続いて、ジブリ作品でノミネート・受賞もあるかも

それに、なんとなく、欧州・ロシアの人々からは高い評価を受けそうな気がします。

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(かつての実写版の「竹取物語」とは全然趣が違います)

それで、かぐや姫の「罪」についてですが、本作品における解釈は、ご自分で観ていただくとして、私が、昔から想像していたのは(怒られそうな気がするが)、やっぱり、「不倫」とか「道ならぬ恋」だったんじゃないかな~と。

富士山との関係とか、難しい学問的な解釈は横に置いといて、「罪」が、いわゆる「犯罪」や「悪事」でないなら、まあ、身分違いとかの「許されない恋」だったのでは、と想像したりします。かぐや姫さんは、相当ツンデレなようなので。

SF的に解釈すると、月に文明の進んだ人々が住んでいるが、何しろ月のコロニーは人口制限が厳しいので、子作りやそれに繋がる行為も厳しく制限されていて、違反したものは、「野蛮人」の住む地球に期限付きで「追放」と。めでたくお勤めが明けた暁に帰還されたのでしょう。 アニメの「FREEDOM」「戦闘メカザブングル」、映画の「エリジウム」を過去に置き換えたみたいな世界かな? いずれにしろ月の世界は、「生存の不安」はないのでしょうが、自由の全くない超管理社会なのでは。感情が豊かな人や「自分の頭で考える」人には暮らしにくいことでしょう。

昔話風に解釈しても、やっぱり天人の世界は掟や倫理が厳しいので、若気の至りで道ならぬ恋をしたお姫様は穢れた「下界」に島流しと。 …といっても「ロミオとジュリエット」と違って、お相手のことが全然想像つきませんが。

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人生いろいろ…です。

※こんなのもある…。

罪と罰〈上〉 (岩波文庫) 罪と罰 ドストエフスキー原作 [DVD] パタリロ! 91 (花とゆめCOMICS)

竹取物語絵巻 (九曜文庫蔵 奈良絵本・絵巻集成)

※これは懐かしの’70年代フォークグループの「かぐや姫」 (^^)
かぐや姫ベスト

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