戦前と戦後の建物が並ぶと…。
先日、東京読売写真クラブ(YPC東京)の年次総会があったので行ってきました。会場は昨年出来たばかりの東京・大手町の読売新聞本社ビル32階のレセプションルームで、やや霞がかかった天気でしたが、東京の中心部が一望できる素晴らしい眺めでした。
上は、その時に撮った写真ですが、戦前から残っている建物は国会議事堂と法務省の旧本館赤れんが庁舎(空襲で焼けたので再建)くらいで、周囲に林立する高層ビルは全て戦後のビル(しかも大半は民間のもの)。皇居の一般参観などが行われる宮殿も戦後の建物です。
参考記事 :
・ 眺めがすごかった…読売新聞新東京本社ビル32Fレセプションルーム(2014.4/1)
・ かわりゆく東京、点描。(2013.3/24)
・ 迎賓館赤坂離宮の一般参観に行ってきました。(2013.8/25)
地上で道路から眺める分にはピンときませんが、戦前と戦後の建物の規模の圧倒的な違いは、高所からみると一目瞭然(美術的センスは戦前建築の方が趣がありますが)。
また、そもそも、戦前は皇居の周辺に、このような皇居の中が見える高さの建物は建てられなかったのだそうで、まさに隔世の感。
「戦前の悪い点をあげつらうのは自虐史観」と声高に主張する方々は、同時に「今の日本は全くダメになってしまった」と執拗に繰り返すので、「それは現代日本に対して自虐じゃないの?」とツッコミたくなりますが、ま、百聞は一見に如かず。今の日本こそ、わが国史上最強でしょう。経済力も技術力も社会インフラも社会の安定度(秩序)も、個人のマナーも、総合的「民度」も。
「精神力が違う」などというヒトもいますが、「精神力とはなにか?」(あるいは防衛や政治制度、経済政策に不備があるのではないか?等)について、各々が自らの信じるところに従って好きなだけ議論できるのも、現代日本の「自由」のおかげ。もちろん、特高警察やら隣組やらのおかげで密告社会だった上に「死は鴻毛よりも軽し」の戦前・戦中には、「言論の自由」などほとんどありませんでしたが。政府(官僚)やカルト団体が勝手に決めた「精神」を画一的に「注入」される社会はお断りです(昔の学校ではよく「精神注入棒」なる生徒をしばく棒があったのだ)。
私は「社会の欠点は欠点だと指摘できる」、また、人権(私有財産権も含まれるのだ)が尊重され、経済や文化、言論の活動が自由で活発、そして、世界中のほとんどの国が友好国である現代日本は、確実に昔よりも、また外国の悪口で「城内平和」を保とうとする某隣国などよりも、いい国だと思います。
ちなみに、新聞で読んだところでは、戦前の「軍機保護法」によって検挙されるケースで非常に多かったのが、写真愛好家が風景を撮影していて、たまたま軍の施設が写り込んでしまった場合だったようです。こんなわけなので検挙数に対して起訴率(有罪率ではない)ですら、わずか4%で、これでは官憲が軍の施設の場所を教えて回っているようなもの。「秘密保護制度」の運用自体がお粗末だったわけで、もし、現代でこんな世の中になったら、今回、総会に行った「写真クラブ」など活動の余地もないし、日本を代表する有力産業の一つである光学・映像機器のメーカーさんも困ってしまうでしょうね。 (-_-;)
*以下にも参加しています。
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