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2015年6月28日 (日)

芸術かプロパガンダか?

大戦中の日本の「戦争画」実物「東京国立近代美術館」(東京都千代田区北の丸公園)の「MOMATコレクション展」(特集:誰がためにたたかう?)で展示中です。

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(2015年9月13日まで。期間中の毎月第1日曜日は無料観覧日)

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画家と戦争: 日本美術史の中の空白 (別冊太陽 日本のこころ 220) 戦争と美術1937‐1945

*戦争記録画:「タブー視」から積極公開へ 国立近代美術館(毎日新聞 2015.5/8)

最近、某政党の「文化芸術懇話会」なる会合で、気に入らないメディアは「つぶせ」「広告をとめさせろ」などという発言があって話題になってますが、「政権側」の人間が、意に沿わない報道に「反論」ではなくて、「つぶせ」=「会社自体をなくす(職を奪う)」「発言自体をできなくさせる」などとは、言論封殺・弾圧的発言ととられても仕方がないし、「広告をやめさせろ」などとは、これ純粋に「民間経済活動への政治介入」「営業妨害」。一般企業の宣伝・経済活動にまで圧力をかけようということで、およそまともな社会人とは思えない「中2病」レベルの発言であきれてしまいます。媒体社や広告主企業はもちろん、広告業界の各社などは、聞き捨てならない発言ですよね。まるで、平成の大政翼賛会設立宣言。経済界もさぞ迷惑でしょう。

もし、そのスジのヒトが、いや一般人でも、こんな発言したら、警察に事情聴取されるでしょうね。明白な取り引き当事者以外の第三者による「業務妨害」宣言なんだから。そもそも「広告」というのは、媒体社の営業努力もあるが、広告主=一般企業側がマーケティングに基づいて出稿・スポンサー契約をしているもの。これを妨害したら、一般企業側の方も大迷惑なのは自明。政党機関紙などへの「協賛広告」「お付き合い広告」とは全く質が違うんですよセンセイ。日本は「共産主義国」ではないので、自由経済における企業活動への介入はやめてください。それに、センセイも、あの本来はテレビ業界人の作家ドノも含めて「一部(左傾)マスコミ」以外は、他の(右傾のも含めて)メディアも、大多数の国民も「自分の味方」だと思っているところも、オドロキ。「記者」さんもビジネスには疎いから指摘はしませんが、メディアもほとんど「営利企業」なんですよね。「理屈屋」さんにはピンと来ないでしょうけど。それに、ほんとに記事が理由で広告を降りる企業があるとすると、メディア側も以後、遠慮無用になってしまうかも。こうなると、社会の報道・言論・表現全体が、公平から遠く離れて金と脅しまみれに低レベル化してしまいますね。

第2次大戦中、旧軍部は、新聞・出版の言論を弾圧するために、検閲だけでなく、配給制だった「紙」自体を必要量まわさないという挙に出ましたが、それと同じくらい、陰湿な思考パターン。対立国へのレアメタルの輸出に規制をかけて世界中から顰蹙を買った中国と同じです。

*安保法案で報道批判続出 自民改憲派の勉強会(2015.6/26 47NEWS/共同通信)

さすがは、個別的自衛権合憲論と並び、現憲法の9条規定にもかかわらず、自衛隊合憲の根拠とされている13条(国による国民個人の権利擁護義務規定)を、わざわざ完全削除した(ついでに”国防軍人”の”人権は制限する”とご丁寧に明記した)「草案」を作る人々だな、と再認識しました。

アノ「草案」では国民の権利を制限して義務ばかり強調する反面、政府の権利ばかり肥大化させてるし、普段はお気に入りの「大学教授」の受け売りばっかり言ってるのに、憲法学者の大半に安保法案が違憲と言われた途端、「学者と政治家は違う」とか、まったくご都合主義。

*特集ワイド:自民党改憲案 アノ独裁国家そっくり?(毎日新聞 2015.6/30 東京夕刊)

なにより、この「政治家」の会合が「文化芸術懇話会」という名称なのが不快。まるで北朝鮮か大陸中国か旧ソ連の文化宣伝機関みたい(全部「サヨク」の国ですなあ -_-メ )。全滅を「玉砕」と言い換える「政治文学」に自己陶酔して敗戦を招いた旧軍閥を連想し、あるいは、リアル「図書館戦争」「メディア良化隊」の世界が来たのかと思って、うんざりします。例の「戦陣訓」にも、多数「文化人」が関わっていますしね。

それで、「政治芸術」といえば、問題になるのが政府プロパガンダ。特に戦時における政府宣伝に芸術が用いられた場合。日本でも外国でも、戦争中は写真や映画、歌などだけでなく、文学や絵画の部門でも戦意高揚に関するものが多く制作され、戦後はそれに関わった作家や画家が非難されることもありました。

各アーチストには各々事情もあり、その行動の是非は置いとくとして、今まで本でしか見たことのなかった第二次大戦中の日本の「戦争画」実物を最近、東京・千代田区北の丸公園の「東京国立近代美術館」「MOMATコレクション展」(特集:誰がためにたたかう?)で直接見てきました。幅が4、5メートル、縦が2メートルほどもある大きなものが幾つもあり、さすがに本物は迫力が違いました(ほかにも重文の作品がいろいろあります)。

戦後70年でもありますし、わざわざ国会での安保法制の審議中に、議員さんや有名作家ドノが「権力と言論・表現の自由との関係」について、刺激的に問題提起してくれた折でもありますので、同美術館の他の展示と合わせ、一見の価値ありです。

参考記事 :

昭和を振り返るスタンプラリー(2014.8/1)

終戦記念日の靖国神社。(2013.8/15)

ヤマト2199「いつか見た世界」(2013.6/16)

「オメガ7」!いいね!フィクションの世界では !!(2015.2/23)

図書館戦争 図書館戦争 スタンダード・エディション [DVD]

中国のプロパガンダ芸術―毛沢東様式に見る革命の記憶 神国日本のトンデモ決戦生活 (ちくま文庫)

文庫 戦争プロパガンダ10の法則 (草思社文庫) プロパガンダ―広告・政治宣伝のからくりを見抜く

メディア・コントロール ―正義なき民主主義と国際社会 (集英社新書) プロパガンダ教本

群衆心理 (講談社学術文庫) 服従の心理 (河出文庫)

誰にも書けなかった戦争の現実 戦争の見せ方―そういうことだったのか!戦争の仕組み (ワールド・ムック 675) カプリコン・1(ワン) [DVD]

ちなみに、隣の「国立公文書館」では「恋する王朝展」が開催中。また、憲法に関しても展示されています。

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(※下記は、参考本です)

日本人なら知っておきたい日本文学 ヤマトタケルから兼好まで、人物で読む古典 平安朝の生活と文学 (ちくま学芸文庫)

*以下にも参加しています。

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