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2016年3月28日 (月)

93歳のホームズ!「Mr.ホームズ」観てきました。

***副題は「名探偵最後の事件」ですが、もう一個副題つけるなら「老人と少年」***

*映画『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』 公式サイト - GAGA
※『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』予告編

(2015年/104分/イギリス・アメリカ)

先日、英BBC制作の現代版ホームズ「SHERLOCK」のホームズ役のベネディクト・カンバーバッチはじめ、そのままのキャストで作られた19世紀版ホームズシャーロック・忌まわしき花嫁が公開されて(英国ではテレビのスペシャル版として放送)話題になりました。

※【WEB限定特別インタビュー】海外で撮影するとしたらどこ? 『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』(日本版予告付)
  

で、それとは別に、93歳のホームズが活躍(?)する小説「Mr.ホームズ」が、「指輪物語」「ホビット」の映画シリーズでガンダルフを演じたイアン・マッケラン主演で映画化(ビル・コンドン監督)され、「シャーロック・忌まわしき~」と入れ替わるように(2016年3月18日から)日本公開されたので(チケットがTOKYO MX TVのプレゼントで当選したので)観てきました。

(ちなみに、「シャーロック」でワトソン役をしているのが、「ホビット」シリーズ主役ビルボ・バギンズ役マーティン・フリーマン。なお、「Mr.ホームズ」製作にもBBCが関わってるようです)

※「Mr.ホームズ」のパンフレット(これは劇場で買いました。税込み750円)。昔のテレホン・カードのような小さいのがチケット。
Holmes

最初の設定が「93歳のホームズが過去の事件の記憶を手繰り寄せる」というものなので、ミステリーとかサスペンスを期待して見ていると、作中の老齢ホームズ自身のように、中盤までややじれったい感じがしますが、探偵を引退して養蜂を営むホームズの家政婦さんの息子・ロジャー少年と、孤独なホームズ老人との心の交流の物語としてみれば、良質な人間ドラマに仕上がっている、と思いました。

(映画・小説「黄昏(1981)」とか「日の名残り(1993)」みたいな感じ?観てないけど。そういえば、ヘミングウェイ原作の「老人と海(映画は1958)」とか、ディズニー・アニメの「カールじいさんの空飛ぶ家(2009)」映画「アトランティスのこころ(2001、スティーブン・キング原作、アンソニー・ホプキンス主演)」も老人と少年がメインの話だから、コンセプトが似てなくもないかも)

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カールじいさんの空飛ぶ家 [DVD] アトランティスのこころ 特別版 [DVD]

キーワードは「孤独」。なお、「Mr.ホームズ」は、舞台が第ニ次世界大戦直後の1947年なので、ホームズ以外のレギュラー・メンバー、Dr.ワトソンもハドソン夫人もホームズの兄・マイクロフトも既に他界していて、回想にしか出てきません。もっとも、ホームズが「孤独」なのは、年齢的な理由だけではありませんが。ちなみに、ホームズは1957年に103歳で亡くなったのだそうです)

とにかく演技がいいです。ホームズの壮年期と老年期をイアン・マッケランが見事に渋く演じ分けているし、作中唯一元気のいい少年・ロジャー(設定は12歳)役のマイロ・パーカー君の演技もいい。特に、ロジャーとのやりとりで、もうろく気味のホームズが、次第にシャープな推理力を復活させてくる場面が非常に印象的でした。

この他、ホームズが終戦直後の日本を訪れる場面もあり、真田広之も重要な役で出演しています。日本の場面も、原作のミッチ・カリンが日本に詳しく、かなり正確だと思います。

また、ホームズ映画の例に漏れず、いろいろとトリビアを探すのも面白いです。

晩年ホームズの「人間的側面」が見られた1本でした。

ミスター・ホームズ 名探偵最後の事件

SFシリーズ「スター・トレック」レナード・ニモイ演じるハーフ・バルカン人(論理だけで生きる種族)のスポックのように、論理一辺倒のようで、実は妙に人間臭い、そこがホームズの魅力かなあ、などと思ったりします。ちなみに、レナード・ニモイも舞台でシャーロック・ホームズを演じたことがあります(1976年)。

わたしはスポック (扶桑社ノンフィクション) スター・トレックI-X 劇場版BOX [DVD]

※↓こちらは参考書。ホームズの”伝記”と、原作&今までの映像化作品全般の解説(紹介)、19世紀時代背景の本です。

シャーロック・ホームズ―ガス燈に浮かぶその生涯 (河出文庫) シャーロック・ホームズ完全解析読本

別冊映画秘宝シャーロック・ホームズ映像読本<増補改訂版> (洋泉社MOOK 別冊映画秘宝) 映画秘宝EXドラマ秘宝vol.2~マニアのための特濃ドラマガイド (洋泉社MOOK 映画秘宝EX)

写真で見るヴィクトリア朝ロンドンとシャーロック・ホームズ 図説 シャーロック・ホームズ (ふくろうの本/世界の文化)

※こちらはコナン・ドイル原作の”正典”の単行本の全集。

完訳版 シャーロック・ホームズ全集 全14巻
完訳版 シャーロック・ホームズ全集 全14巻

*もちろん、文庫本版も各社から出ています。

シャーロック・ホームズの冒険 (新潮文庫)  シャーロック・ホームズの冒険―新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)

シャーロック・ホームズの冒険 【新訳版】 シャーロック・ホームズ・シリーズ (創元推理文庫) シャーロック・ホームズの冒険〔新版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

※こちらは、ミステリマガジン最新号。「シャーロック」「Mr.ホームズ」両方の記事があります。

ミステリマガジン 2016年 05 月号 [雑誌]

※こんなのもある。

ケトル VOL.29

※だ~~いぶ昔ですが、こんなのも。

    シャーロック・ホームズ大全 シャーロック・ホームズ原画大全 (スーパー文庫)

※英グラナダTV版(ジェレミー・ブレッド主演)の19世紀ホームズと、その下はBBCの現代版「SHERLOCK」、ついでに「ホビット3部作」のブルーレイ。それと、モノクロ映画時代のホームズの例(ベイジル・ラズボーン版のホームズ。DVD)。

シャーロック・ホームズの冒険 全巻ブルーレイBOX [Blu-ray]
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ホビット エクステンデッド・エディション トリロジーBOX ブルーレイ版(9枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
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シャーロック・ホームズ 名探偵の事件簿 ACC-049 [DVD]
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・・・最後に残った「謎」。本作登場の日本人・梅崎の父の方は結局、何者だったのだろう? (^_^);

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