映画のアニメ・特撮モノの当たり年だった2016年。
2016年は、国内外の政治経済社会情勢、それにエンタメ分野など、歴史の変わり目とも言えそうな出来事が数多くありましたが、リオ五輪などのスポーツ分野を除き、あまり楽しい話題はなかったので、映画の話題を振り返ろうと思います。
※ 「君の名は。」予告編
というのも、記録的ヒット中のアニメ映画「君の名は。」をはじめ、「この世界の片隅に」や「ズートピア」、「シン・ゴジラ」など、普通は公開初日以降だんだん減っていく観客が、逆に右肩上がりで伸びてロング・ラン上映になる作品が目立ったのが、非常に特徴的でしたので。
他にも、「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」や「スター・トレック/BEYOND」などSFシリーズの大作もあり、冬休み作品、実写×アニメ・ハイブリッドの「妖怪ウォッチ/空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!」も相当ヒットしているようで、アニメ・特撮(SFX/VFXなど)の劇場用映画のエポック的な年になったのではないかと思います(邦画のヒットが続いたので「日本映画の復活」を指摘する向きもあるようです。特に東宝作品が)。さらには、「ハリー・ポッター」シリーズの新作品「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」も公開、ヒット中です。
追記 : 年末には人気シリーズ最終作(?)「バイオハザード・ザ・ファイナル」が公開され、メディアでの露出量は少なかったが、秀作アニメの「聲の形」の公開もありました。
*年間映画興行ランキング『2016年、世界水準で収益を上げる日本映画が登場!』(オリコン 2016.12/24)
*[大特集]5つの決断で日本映画は絶頂へ(AERA 2017年1月2-9日合併号)
政治のポピュリズムはどうかと思いますが、ポピュラー・エンタテインメントの方は来年以降も発展して欲しいと思う年の瀬でした。
*以下は公式の予告編動画・CMなど。
※ 「君の名は。」TVCM
(かつての銀座・数寄屋橋が舞台の名作ドラマ「君の名は」とほぼ同名で、”行き違い(すれ違い)”のお話を携帯・スマホが普及した現代に、男女・時空の入れ替えで蘇らせたのは秀逸なアイデア。影響されている過去の作品は他にもいろいろあるようですが、「前前前世」など挿入歌の使い方もうまく、もちろん新海監督得意の映像美もあり、恋あり、スリルあり、切なさありで、ヒットの要素がつまっている感じです。また、宮崎駿監督に続く、もう一人の新進気鋭のアニメ監督・細田守監督の「時をかける少女」「サマー・ウォーズ」を彷彿とさせるシーンもあり、高橋留美子先生原作の「らんま1/2」や「めぞん一刻」(携帯のない時代の話なので、結構行き違いシーンが多い)などもちょっと影響あるかも、などとも思います。それと、時空愛映画の「イルマーレ」に、そして、もちろん、大林宣彦監督の男女入れ替わりドラマ「転校生」✕2本は外せませんね。あと、隕石衝突モノのデザスター=災害映画も少し…CM程度のネタバレ)
*あの感動が更に倍増!『君の名は。』リピーターが観るべき映画6本とは?(シネマズ 2016.9/12)
※こちらはオマケ。「君の名は。」の新海誠監督の作品集。この他、出身地の地元新聞「信濃毎日新聞」や“地図に残る仕事”の「大成建設」のCM(同社HPで紹介されてます)もありました。
(参考)※「君の名は」第1部(プレビュー)(1953年公開)
※ 「この世界の片隅に」予告編(これは海外向け。私としては、この作品では、海外向け予告編の方が胸に迫るので ^_^ )
(この作品の片渕須直監督による、戦時中日本の日常生活や兵器等の緻密な再現はつとに指摘されているとおり。私も一応、子供の頃に、学校の先生とかから戦時中に米軍機に機銃掃射された話を聞いたことがあり、田舎だったので戦後もかなり長いこと建物の弾丸のあとが残っていた模様。また、簡易防空壕に入っていた人が、すさまじい空襲のため、中で犠牲になったこともあったようです。なお、私は当然戦後生まれです。念のため。ちなみに、当時の生活を知ることができる施設が東京・九段にある「昭和館」や広島の「広島平和記念資料館」。全国各地にも同様の歴史資料館・史料館があると思います。もっとも、本作品の主な舞台の呉市にあるのは「海事」関係の資料館がメインですが。→「大和ミュージアム」など。戦時中に内地の工場に勤労動員された女性たちの映画なら、同時代の国策映画ですが、黒澤明監督の「一番美しく」というのもありました。見比べるといろいろ発見があるかも)
(追記:この映画は、ぜひエンド・ロールの最後まで見て欲しいです。動かない絵ですが、ここにもある登場人物のドラマが出てきます。「二十四の瞳」や「瀬戸内少年野球団」、「コクリコ坂から」、また、「火垂るの墓」などにも描かれていますが、当時の、生活の苦しい庶民の事情の一端が出てきます。本編の方も、終始淡々と生活が描写されていますが、何気ないシーンの事情・背景を知る度に衝撃を受けることとなります)
(・・・“すず”さんは玉音放送を聞いて言いいました「そんなん覚悟のうえじゃなかったんかね!?」。同じことは「瀬戸内少年野球団」にでてきた少年も言ってました。そうです、帝国政府は国民には覚悟せよ、と繰り返し要求してました。ところが肝心の政府と軍の指導部は・・・指導部内の意思統一すらできず、各自バラバラに成り行き任せに官僚仕事で戦争を続けていただけ。昭和天皇が降伏の決断をしなければ、わが国は国民もろとも消滅していたかもしれません)
(参考)※「一番美しく」(プレビュー)
(1944年公開の戦時国策映画。これでも黒澤監督作品。昭和のゴジラ・シリーズではお馴染みの志村喬さんがでているのも興味深い。当時の社会の雰囲気は、建前ではこんな感じ。本音部分は現代人とそんなに変わらないと思いますが)
※「聲の形」ロングPV
※ 「シン・ゴジラ」予告編
(エヴァンゲリオンの庵野秀明監督による”踊る大防衛戦” (^_^;) 「踊る大捜査線」をゴジラ相手に自衛隊で。ゴジラは某国に操られているわけではないから、自衛隊は「防衛出動」ではなく、「災害派遣」の「害獣駆除」ではないか、とは石破元防衛大臣の弁。かつては、トドの大群による漁業被害があった時に、自衛隊が災害派遣で武器を使用して駆除したそうです)
※
「ズートピア」予告編
(”ウサちゃん版「ダイ・ハード3」”。よくよく見るとアメリカが抱える社会問題が垣間見えるような。今年あった大統領選挙のことも思い起こされます)
※
「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」予告編
(ローグ=Rogueとは”ならず者”の意味。”巨大な帝国”相手に“小さなならず者”が挑むところがアメリカ人好み。監督は2014年のアメリカ版ゴジラ・「GODZILLA」のギャレス・エドワーズ監督)
*↓こちらは、2016年12月23~29日、東京・汐留の日テレタワーで開かれた「もうひとつのスターウォーズ展」の模様の写真。
※
「スター・トレック BEYOND」予告編
(こちらは、”連邦”の”オフィシャル=公式”な“オフィサー=士官”が頑張るお話。ただし、監督が「ワイルド・スピードMAX」などのジャスティン・リン監督なので強烈なアクションシーンの連続)
※ 「ハリー・ポッター/ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」予告編
(”ビースト=beast=野獣”がかわいい (^o^) )
※
「妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!」予告編
(英国の魔法使いやビーストに負けないくらいに、“妖怪”は日本文化の一部。最近はダンスも盛ん。2年位前には”ようかい体操第一”の動画が話題になってました)
*以下は関連書籍、DVD・ブルーレイなど(最新作はまだ映像ソフトが発売されてないので、ご購入される場合は注意してください)。
君の名は。(通常盤) (サントラCD)
この世界の片隅に コミック 全3巻完結セット (アクションコミックス)
(ご参考。戦前昭和・戦時中・終戦直後の日本を知る本。NHKの朝ドラなど、戦時中のドラマを見る際の参考にもなるでせう)
聲の形 コミック 全7巻完結セット (週刊少年マガジンKC)
【Amazon.co.jp限定】シン・ゴジラ Blu-ray特別版4K Ultra HD Blu-ray同梱4枚組(早期購入特典:シン・ゴジラ&初代ゴジラ ペアチケットホルダー付き)(オリジナル特典:スチールブック付き)
【Amazon.co.jp限定】スター・トレック BEYOND スチール・ブック仕様3Dブルーレイ+ブルーレイ+特典ブルーレイ [Blu-ray]
【Amazon.co.jp限定】 ズートピア MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] (ジュディのニンジンペン[ 録音機能なし ]付) [Blu-ray]
映画「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」オフィシャルガイド (J.K.ローリングの魔法界)
映画妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン! (てんとう虫コミックス)
…「君の名は。」関連で隕石衝突モノ代表3本「メテオ」「アルマゲドン」「ディープ・インパクト」と、「この世界の片隅に」関連で、戦時中の勤労動員のお話「一番美しく」や、同時代の庶民のお話が出てくる有名なドラマはこちら(戦争による死別、生き別れ、生死不明や行方不明、戦災孤児、戦中と戦後で態度が豹変する大人たちと、逆に降伏に納得出来ない子供、遊郭の話など。「コクリコ坂から」「二十四の瞳」「瀬戸内少年野球団」、それと「火垂るの墓」もありましたねえ。あれは悲しすぎるわ)。
*以下にも参加しています。
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