文庫と新書で読むおカネの流れと歴史の関係。
「世の中カネや〜〜〜!!」…あ、いや失礼しました。え〜と、社会というのは経済抜きでは語れないものであって、その経済の血液、または、経済規模や信用力の指標として、おカネが存在します。で、そのおカネの流れから日本史と世界史を考察した本が、文庫判と新書判で最近それぞれ出ていましたので、ご紹介です。
おカネといっても、広い意味で使われていて、経済全般の通史として分かり易く解説されており、非常にInterest(面白いし興味深い)です。
私には「戦費調達」の分野など、いろいろと意外な事実の新発見がありましたが、そこはぜひご一読を。
「○○経済史」と言う本は数多くありますが、だいたいが分野限定で、大学の講義で使うような専門書が多くてとっつきにくいですが、こちらは価格も手頃で読みやすいです。
関連記事 :
・栄枯盛衰は帳簿とともに…「帳簿の世界史」(2015.4/13)
*以下にも参加しています。
まあ、私としては、経済・おカネとは「循環」するものであって、子どもに渡す小遣いみたいに「トリクル・ダウン(したたりおちる/下々の者はオコボレを待つ)」などということはありえないし、一部の大企業や金融機関、地主や富裕層におカネを集中しても、持ってる本人以外には「(社会的に)存在しないのも同じ」(塩漬け状態)、むしろ、(昔のように「労働者が搾取されている」というよりも)「消費者を含む庶民全般からおカネが吸い上げられるブラック・ホール」(まともな商売なら「薄利多売」だが、悪徳業者がやると「貧困ビジネス」。悪徳ではないにしても、経営者が「利益率の高い(ボロ儲け)」商売を強引にしているというのは、顧客や従業員にカネが回ってない→消費にも回らない)になってしまって、国民経済全体は衰弱の一途になるのではないかと思っていましたが、歴史上、似たようなことが何度もあったようです。
最近、不景気で、売上も上がってないのに「過去最高益」とか、未払いの残業代を改めて払ったら「利益が半減」したなどというニュースを聞きますが、これは本来払うべき人件費を帳簿上、利益の欄に書き込んだだけで、そもそも本来の企業利益とはいえないでしょう。こういうところは下請け企業にも厳しくて、支払いが渋いのでは?こんなことが社会に蔓延したら、社会のカネ回り=景気がよくなるわけがないですね。
(おまけにパナマ文書に見られるように、税金も払わず、社会インフラにタダ乗りして儲けるだけの多国籍企業が増えたのでは、世界経済全体に悪影響が出ます)
こういう情勢で、いくら金融緩和をしても、国内ではおカネは出回らず、デフレが収まることもないし、外国に流れて企業買収などに使われ、しかもそれが失敗続き(外国で日本企業がカモにされているのでは?)というのが、現在の日本の状況。
日本(どこでも同じですが)の景気浮揚には、一般消費者=勤労者の可処分所得が増えるような、雇用・労務政策が必要であって、日銀に頼み込んでマネタリズム政策を繰り返しても、効果は薄いと思います。
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