映画「ブレード・ランナー2049」観てきました。
“デッカードとレイチェル、30年後の真実”・・・。
あるいは21世紀の「R.U.R.」、またはSF版「ロング・グッドバイ」か?
※「ブレード・ランナー2049」の劇場パンフレット(左・税込み820円)。右はTOHOシネマズの映画ガイド
「ブレード・ランナー2049」のお話の筋を要約すると、前作「ブレード・ランナー」(2019年が舞台/1982)で最後に逃亡(駆け落ち?)したブレード・ランナー=捜査官のデッカード(ハリソン・フォード)とレプリカント(女)のレイチェルの「その後」を、30年後に新型レプリカントでブレード・ランナーでもあるエージェント…いや捜査官Kが解き明かす、という流れですが、やや話の運びがスローな上に複雑で、集中して観ていないと訳が分からなくなりそうです。
また、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が寒い国のカナダ出身ということで、ブレード・ランナーの主要イメージ(?)の雨だけでなく、雪も印象的に使われていて、ラスト・シーンはちょっと、前作のロイ・バッティ(ルトガー・ハウアー)と同時に日本映画の「鉄道員(ぽっぽや)」(1999)の佐藤乙松(高倉健)を連想する感じ(「八甲田山」(1977)の雪中行軍までは連想しませんが)。
(雪は関係ないが「スペース・カウボーイ」(2000)のラスト・シーンやTV「太陽にほえろ!」のジーパン刑事(松田優作)のこともちょっと連想。で、最後に捜査官Kは松田優作のジーパン刑事のように「なんじゃこりゃあ~!」と叫ぶ・・・というのはウソです。m(_ _)m )
もちろん、前作同様、映像のあちこちに日本テイストが散りばめられています。日本語の看板は前作よりも多いくらいです。うどん屋の看板もあったような。
また、捜査担当のクールな主人公が、周囲の状況に振り回されて苦悩する話の筋は、ちょっとエリオット・グールド主演の「ロング・グッド・バイ」(1973)みたいです。
※「ブレード・ランナー2049 日本版」予告編
前述のように、とにかく上映時間3時間弱(163分)で長いのと、話が複雑でもある割に、時代状況設定が作中であまり詳しく説明されていませんので、前作の「ブレード・ランナー」と、Youtubeで公開されている「ブレード・ランナー2049」前日譚ミニ・ストーリー3本(ブラック・アウト:2022=アニメ/2036:ネクサス・ドーン/2048:ノーウェア・トゥ・ラン)を見てから観に行った方がよいです。
特に「大停電(ブラック・アウト)」については予習しとかないと、お話全体がピンと来ないと思いますので。
*YoutubeのSonyPicturesJapanのチャンネル
※「ブレード・ランナー ファイナルカット」のBD予告編
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それから、一般論として、日本で「ロボット」というと、自律式に動く「鉄腕アトム」型にしろ、人間が搭乗・操作する「機動戦士ガンダム」型にしろ、「機械式」ですが、欧米で「ロボット」というと、この「ブレード・ランナー」に出てくるレプリカント(バイオノイド/バイオロイド)の方が、カレル・チャペックが書いた戯曲「R.U.R.」(1920)に初めて出てきた「人造人間=ロボット」に近くて“正統派ロボット”になるのだろうと思います。
で、ロボットが「人工生物の人間型」なので、かつての奴隷制なども連想され、結局は「ロボット=奴隷=反乱する」、となって暗〜い話になってしまうようです。
どこかで聞いた話(TBSラジオの「たまむすび」で産休前の赤江珠緒さんが生物学者が語った話として言っていたように思う)では、「支配欲」というのは生存のために活動する「生物」だけが持つものだそうで、とすると、生物型のロボットをあえて造るというのは厄介の種を増やすだけで、ロボットがアトムのように友達でいるには、機械式だけにしといた方がいいだろうなあ、という気がします。
*関連記事 : 次期東京五輪前年2019は名作SFの年(2016.8/13)
※「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」は、映画「ブレード・ランナー」の原作です。
・・・Wikiで「R.U.R.」のあらすじを読んだところでは、映画の「ブレード・ランナー 」2作、特に「2049」は、ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか 」より、「R.U.R.」の方に、コンセプトがより近いような気がします。
※↓「雪」が印象的な日本映画2本。どちらも健さん主演。^_^;
※↓その他ご参考。
※↓なお、こちらがメン・イン・ブラックの“エージェントK”(左/トミー・リー・ジョーンズ)さん。^_^;
*以下にも参加しています。
…きれいな女優さんたちのお肌とSONYのロゴがたくさん見られますよ (^_^);
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