先日、テレビの「クレイジー・ジャーニー」ではマグマに肉薄する様子が放送されていた俳優の滝沢秀明さんが、鹿児島沖の「鬼界カルデラ」の学術調査にも協力し、科学雑誌の論文に名前を連ねたというニュースがありました。タッキーの人気で「地学」(地球科学)分野の人気も高まればいいな、と思ったニュースでした。
*滝沢秀明、神戸大チームと世界最大級の溶岩ドーム発見 論文に名を連ねる(ORICON 2018.2/20)
(NHKでもこの春に特番があるようです)
*滝沢秀明の火山探検紀行〜巨大カルデラの謎に迫る〜(仮)
と、いうのも、もし鬼界カルデラが大爆発したら、日本国は消滅の危機。まさに「破局噴火」です。世界的にも火山灰による「火山の冬」で大きな気候変動に見舞われることは確実。アメリカのイエローストーンなどの危険度も同様。
*鬼界カルデラ 世界最大級の溶岩ドーム(東京新聞 2018.3/3)
富士山噴火どころではないのですが、こういう「地学」分野の教育・研究は実は日本でははなはだ貧弱。必修科目でないどころか、講座のない高校すらある。当然専門家も少ない。学者も行政の防災担当者にも企業の研究者にも専門家がほとんどいないということです。だから、アメリカでは大きな関心を集めているBCP(災害時などの事業継続計画)もなかなか継続的な話題にならない。
これで防災先進国なんて幻想です。2016年に熊本で地震が続いたときに、九州は桜島も阿蘇山もある火山島なのに「九州は地震はないと思っていた」という人がいるほどのお寒い現状です。国内に地質等を体感できる「ジオ・パーク」がいくつもあるのにもったいない話でもあります。
*日本ジオパークネットワーク のサイト
また、日本では台風に集中豪雨に豪雪に土砂崩れに地震に伴う津波になどなど、災害が頻繁に起きます。
まもなく2011年の発生から7年が経過する東日本大震災・原発事故の復旧・復興もままならないのに、明治150年の夢ばかりを見て、日本マンセーしてる場合ではありません。明治からの歴史を振り返るなら、先人の災害対策や国際的な防災研究・対策連携についても考えるのがいいです。また、幕末の薩摩の話もいいですが、鹿児島県に関心を持つなら、桜島の噴火や火山灰対策について学ぶのも重要かと思います。
世界的に自国中心主義が広まる折、地球温暖化だけでなく、破滅的自然災害の脅威を訴えることは、国際協調促進にも良いんじゃないかと思います。
関連記事 : 防災を考える予備知識・・・「地学」のお勉強。(2014.11/1)
日本列島は大陸プレートがぶつかって地殻が盛り上がり、島国で山国になっているので、沈没はしませんが、火山灰に埋もれてしまうことや、海水面上昇や大水害で低地が水没するおそれならありそうです。
余談ですが、手塚治虫さんのコミック「鉄腕アトム(地上最大のロボット)」や、この2次創作・浦沢直樹さんの「PLUTO」には、阿蘇山やイエローストーン国立公園をモデルにした「エデン国立公園」の破局的噴火をロボットたちがくい止めて世界を救うという描写がありますが、火山はあってもスーパーロボットはいないのが現実です。
*以下にも参加しています。
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