映画「ペンタゴン・ペーパーズ」観てきました。
映画「ストリープ・ハンクス」…もとい「ペンタゴン・ペーパーズ(The Post)」観てきました!
「自由の国」のアメリカでも、政府に不都合な文書を暴こうとすると恐ろしい圧力がかかるし、それに抵抗することは一企業でもある新聞社や記者個人、また内部告発者にとっても大変な緊張感を強いるものだということがよく描かれていました(会社の株式公開の話の方も、なかなか興味深いですが)。
また、大量の公文書を入手・分析するのは個人では非常に困難なので、こういう案件はメディアの組織力の勝利でもあります。これは教会の不正を新聞社がスクープした件を描いた映画「スポットライト」(2015)でもあったし、日本でも、富山市議会の政務活動費等の不透明処理を報道した北日本新聞 (民意と歩む「とやま議会考」)やチューリップテレビのスクープでも見られたことです。
*14人が辞職した富山市議会:地方メディア記者たちの闘い(nippon.com 2017.12/28)
さらに、情報源の秘匿や保護についてはタバコ大企業VSテレビ局の話だった映画「インサイダー」(1999)にもでてきました(「大統領の陰謀」(1976/ウォーターゲート事件取材の話)では、つい最近まで情報源が誰かも分かりませんでしたが)。
「ペンタゴン・ペーパーズ」(2017)では、1970年代当時(携帯もネットもパソコンもなく、印刷は活版の時代)のアメリカの新聞編集・制作・発送風景が細かく再現されていて、こちらも必見ものかも。
*'Farewell, Etaoin Shrdlu' - Video - NYTimes.com(ワシントン・ポストのライバル紙のニューヨーク・タイムズでのライノタイプ(自動活字鋳造機)印刷の最後の日の動画・1978年。英語。”Etaoin Shrdlu”は英語で最も使われる文字の試打用の無意味な語句だそうです)
それにしても、事前の綿密な研究で勝てないことが明白にもかかわらず政府が戦争に突入した例は第二次世界大戦の日本がそうで、この前例をアメリカも詳しく調査して知っていたはずなのに、いくら本国自体は安全とはいえ同様の失敗をベトナムで繰り返すとは、どこの政府や軍部もあまり歴史には学ばないのかな、とも思いました。
さすがは、スティーブン・スピルバーグ監督、メリル・ストリープ&トム・ハンクス主演という“ハリウッドスーパー3巨頭”が作った映画、考えさせられる見どころ満載の映画です。
ちなみに、この映画に登場する主要人物のひとり「ワシントン・ポスト」紙の当時の女性社主:キャサリン・グラハム氏のことは、TVの「奇跡体験!アンビリバボー/専業主婦が国を変える!? 壮絶人生!運命の決断とは?」(2018.3/22放送)や、ニューズ・ウィーク日本版のサイトでも前日譚や関連する話題(2018.3/29~)が紹介されていました。
※「ペンタゴン・ペーパーズ」予告編
なお、鑑賞した映画館は出来たばかりのTOHOシネマズ日比谷でしたが、スクリーンは大型で音響効果もよく、椅子は上質素材でサイズがゆったりしていて、快適に映画を楽しめました。
参考記事 :
ご参考サイト
*NEWSEUM(ニュージアム/アメリカにある世界中の新聞を集めた新聞博物館・英語)
*こんなのもある。
*以下にも参加しています。
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