「新たなリスク」?
今年は水害や台風や地震など、大きな災害が続き、被災された方にはお見舞いを申し上げます。
それで、ご覧の大規模な土砂崩れで山体が崩壊した写真ですが、これは今年(2018年)9月6日の北海道胆振地方東部地震による北海道厚真町で発生した大規模土砂崩れではありません。
10年前の岩手・宮城内陸地震で発生した宮城県栗原市の「荒砥沢ダムの上流崩壊地」です(「栗原市観光ポータルサイト」より)。「日本の地質百選」にも選定されているそうです。
・平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震 > 地理情報システムを用いた地震災害とカルデラ構造との関連の検討(日本地質学会のHP)
・岩手・宮城内陸地震~復旧・復興へ10年の歩み~(宮城県のHP)
地質もよく似た火山灰地。ところが、報道では、震度だけでも津波とも違う、土砂災害が水害と軟弱地盤の地震の揺れとの複合で発生した「新たなリスク」とばかり繰り返されている(Nスペの緊急特集など)。
北海道厚真町の大規模土砂崩れは、近畿地方などに大被害をもたらした後に日本列島を縦断した台風21号による大雨が降ったあとに、火山灰の多い土地を震度7~6の揺れが襲ったので、大規模な地すべりや山体崩壊が起きたとのこと。
・軟質地盤、揺れを増幅=台風21号の大雨影響-初の震度7、二次災害も・北海道地震(時事通信 2018.9/6)
しかしこれ、両者の細かい点に相違はあっても、リスクが「新たな」ものだとは思えないのですが。近代以降で記録にあるだけでも、同様な条件の災害が、今までもあちこちで、あったのでは?
防災についての知見は、ネットでも調べると山のように出てくるし、公的な人命救助・復旧体制は年々相当改善しているように感じますが、体系的な災害関連知識自体は、世の中にあまり普及していないような気がします。
こんなとこにも日本の(出世にはつながらない)「地学」教育の貧困が影響してるのかなあ、などと思ったりします。
ちなみに、日本は火山列島で、山国で島国なので、地震や台風といわず、土砂崩れだけとっても、どこもかしこも、東京23区内(埋立地や元湿地や高低差の激しい崖だらけ)であっても、大阪市内(三角洲地帯です)であっても、危険地帯です。注意しましょう。
参考記事 : 鬼界カルデラ爆発は「破局噴火」に。「地球科学」振興で国際協調を。(2018.3/4)
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