「桃太郎」で考える正義と法律…。
先日(2020.1/11)放送された、テレ朝の「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん2時間SP」でも、紹介されていましたが、小学生が自ら調べた「桃太郎伝説の真実」、つまり、明治に国定教科書用に作り変えられる以前の桃太郎の昔話についてまとめられた本「桃太郎は盗人なのか?-「桃太郎」から考える鬼の正体-」が話題になっているようです。
明治時代より前の昔話では、桃太郎は全然正義の味方ではなく"切り取り強盗は武士の習い"を地で行くような感じでしたが(古今東西、中世以前の昔話というのは、本来だいたいは残酷で怖いものです。かわいい話にしてしまうは、おそらく近代のアメリカと日本が顕著でしょう)、明治時代になると、300諸侯と領民に分かれていた日本人を一つの国民にまとめるためと対外戦争のため、「悪い敵をやっつける英雄の話」として教科書を通じて全国に広められたということのようで、非常に興味深い内容でした。
*「桃太郎盗人説」の真偽は? 小学5年生の文部科学大臣賞受賞作品が単行本化(ダ・ヴィンチニュース 2019.11/25)
それと、この本とは全く関係なく、法務省と東大法科大学院・法学部生有志により制作された、もう一つの桃太郎のマンガがあり、それが「桃太郎と学ぶ民法(債権法)改正後のルール」(リンク先はPDF)です。これは、明治以来120年ぶりの大改正が行われて2017年に成立、この2020年4月から施行される改正民法(法務省のHP)についての広報パンフレットです(下の画像は表紙だけ)。
桃太郎の鬼退治や宝物を奪った行為が「不法行為」とされてしまったり(そりゃそうだ)、桃太郎がいろんなトラブルに巻き込まれて、各事件と法律との関わりが紹介されています。
それぞれ全然別々に作られた「桃太郎本」ですが、これを機会に、誰でも知っている桃太郎を素材にして、社会正義や各時代の社会の背景、法律について考えるのも面白いと思います。
※こんな動画もあった。こちらは刑事事件の話ですが日弁連の「裁判員制度10周年」広報用ムービー(2019.12/25)の第1話「モモタロウ裁判」。もっとも、こっちの場合、つづく第2話「赤ずきん裁判」の方が興味深いですが。
参考記事 : 不眠症に最適!?法律のお勉強。(2020.1/16)
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