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2020年2月 1日 (土)

映画「彼らは生きていた」観てきました。

映画彼らは生きていた(THEY SHALL NOT GROW OLD )観てきました。イギリスの帝国戦争博物館で保存されていた第一次大戦時のモノクロ・音声なしの戦場記録フィルムを、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのピーター・ジャクソン氏が監督を務め、デジタル化・カラー化して体験者のインタビューなどでまとめあげた、最前線の現実を今に再現するドキュメンタリーです。

 *第1次世界大戦の記録映像を復元、ドキュメンタリー「彼らは生きていた」公開(映画ナタリー 2019.12/12)

※ピーター・ジャクソン監督『彼らは生きていた』予告編

戦争中はどこの国でも兵士の死体が映り込んだ映像は(士気にかかわるので)検閲でめったに公開されないし、戦後は多少テレビでも戦場の映像が流れるようになりましたが、それもアナログ・モノクロだったから視聴者側も「昔の・他所のこと」のように見ていたように思います(最近はハイビジョン放送になったので、ほとんどはぼかしが入ります)。しかし、こうして戦場の実像がカラーで鮮明に蘇ると衝撃的です。「兵士」といっても大半が10代だし、本当に参りました。

まだ近代戦の恐ろしさを知らず、かなりの部分が庶民層でもあって、食事などが保障された軍隊に、愛国心と冒険心に燃えて志願した、この若者たちが送り込まれたのが、戦争という軍隊の殺戮事業。当然ながら、軍隊は武装した巨大組織たる国家のお役所の一つです。装備品の支給も「お役所仕事」で滞りがち。また、一旦「作戦」という事業が開始されたら、簡単には止まらない(戦争でなくても公共事業など公共物建設一つとっても、一旦官公庁で決定したら、めったに撤回されません)。演習のように「状況終わり」というわけには簡単にはいかない。

劣悪な環境下での塹壕生活が延々と続いたあげく、機関銃などの近代兵器が待ち構える陣地に生身の兵隊の突撃が何回も繰り返されることとなります。近代戦としては、第一次大戦の10年前の日露戦争でも、20年後の第二次大戦でも同様の事態が繰り返されました。結果的に、参戦国の国民性が真面目で、軍隊が組織としてしっかりしているほど、犠牲者がふえるということに。

そして、戦争が終わって復員した大量の兵士に待つ、社会の無関心と失業という現実。社会から見捨てられたという失望感。戦勝国のイギリスですらこの状況。ましてドイツ側では? この映画では直接言及されていませんでしたが、こういう大量の失業復員兵問題が次の大戦の要因のひとつになったであろうことは、容易に推察されます。

国民全部が直接・間接に参加する近代以降の戦争では、戦争を抑止・停止するには、雇用などの経済状況を安定させ、行政をお役所任せではなく、国民が常に政治のリーダーシップを動かさないと、どうしようもないのだろうと思います。

なお、同じ第一次大戦の伝令兵の苦難を描いた「1917 命をかけた伝令」も今月(2020.2/24〜)日本公開されます。ご参考まで。

※「1917 命をかけた伝令」予告編 

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