ゴロウニン著「日本幽囚記」発見記。
古書のお得な掘り出し物を見つけた話です。
先日、NHKの「歴史探偵」という番組(2022年1月放送)の「本当に鎖国だったのか!?」という回で、幕末の通詞(通訳)の絡みで、当時の帝政ロシア海軍士官のゴロウニンが書いた「日本幽囚記」(ゴロウニン一行が幕末の日本で捕縛され抑留された事件の回想録)という本が紹介されていたので興味がわき、そういえば昔、講談社学術文庫で翻訳(「日本俘虜実記 (上下)」と「ロシア士官の見た徳川日本 」の3冊)が出ていたなあと思いあたって書店を探してみたところ、30年以上前の発行で、もはや新刊では見つからず(重版されてない)、ネットでもあまり(手頃(?)なのが)見つからず、ブックオフなど大型古書店にもなかったので、東京の神保町古書店街で探してみると、文庫・新書専門の古書店にて講談社学術文庫版が3冊セットであるにはありました。しかし、なんと5500円。さすがに価値が分かった値付けでした。ちょっと手が出ない。
というわけで、他の店を当たると、大型書店の古書コーナーで「ロシア士官が~」を単冊で450円で発見して購入。また、他の人文系古書店では店先のワゴン内で、岩波文庫の「日本幽囚記 上・中・下」を3冊セットで1500円で売っているものを発見したので早速ゲットしました。
岩波版の下巻と学術文庫の「ロシア士官~」は内容重複だし、岩波版は初版が戦前というか戦争中(1943年!)で、すべて旧仮名遣いで漢字も旧字体。もっとも、本の現物自体は1986年版で状態も良く、活字が大きめなのでそれほど読みにくいというわけでもない感じです。
下巻(3巻目)の2冊の文章(文体)や漢字の字体を比較するのも面白そうです。著者名のゴロウニンも、ゴローニンだったり、ゴロヴニンだったり。こういうところをいろいろ注目しながら"そのうち"読もうかなと思っている次第です。
こちらご参考。歴史作家の司馬遼太郎氏が、ゴロウニンら幕末に日本を訪れたロシア人と深い関係のあった豪商・高田屋嘉兵衛の波乱万丈の人生を描いた「菜の花の沖」です。2000年にNHKで連続ドラマにもなってました。
*以下にも参加しています。
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