映画「すずめの戸締まり」観てきました。
もし寅さんがドラッカーを読んだら…もとい、もし寅さんが女子高生で子どものときに大災害で家族を失った辛い記憶を持つ人だったら?
・・・秀逸なロードムービーです。
主人公の女子高生のすずめが災害をくい止めるためと、心の底に沈めてしまった悲しいが大切な記憶と自分を取り戻すために、日本を縦断して旅をするお話です。
※↑ 左が映画のパンフレット、右が入場者プレゼントの「新海誠本」。
*「すずめの戸締まり」入場者プレゼントは「新海誠本」、新海監督による企画書全文など掲載(コミックナタリー 2022.10/28)
寅さんのように時々笑わせてくれますが(それから懐メロが色々出てくる)、災害の記憶のある方はシーンによっては辛くなることがあるかも知れません。しかし、映画のメッセージとしては「あなたは独りではない」ということなのだと思います。作中では別れよりも出会いの方が多いのも救いがある気がします。
また、フェリーとか鉄道とか都会や田舎の両方の生活風景、日々の人々の生活の様子とか、新海誠監督の日常の描き方がいつものように素晴らしく印象的です。このような何気ない日常は、災害でいつ失われるかもしれないし、実際に失われてしまったこともあるわけで、このことが、しばしば"究極の選択"を迫られながら続く波乱万丈なすずめの大冒険の意味を一層際立たせます。
すずめが大人の世界に旅立つための大冒険。オススメです。
(ちなみに、すずめは行動力抜群なだけでなく、陸上選手かな?と思うほど脚力と運動神経が良いです)
※映画『すずめの戸締まり』【行ってきますPV】(東宝MOVIEチャンネル)
新海誠監督の作品は「君の名は。」でも「天気の子」でも災害が重要な要素となっていますが、本作では前記2作と違い、現実の東日本大震災が関係しているので、多くの日本人には胸に迫るものがあると思います。
*参考記事
・映画「天気の子」観てきました。(2019.8/12)
そういえば、アニメ「ひそねとまそたん」も、主人公が結果として災害をくい止めるというお話だったかな。
※TVアニメ『ひそねとまそたん』【HD】(予告編・ワーナーブラザース公式チャンネル)
それから、現在アニメ放送中で人気の「SPY×Family」は、疑似家族を作ってはいますが、戦争などにより元孤児だった人たちが世界大戦から世界を救おうというお話。天災と人災の違いはありますが、心に傷を負った人たちが、次の大災害から世界を救おうというシチュエーションの似た話が続くのは興味深いです。また、コミックス10巻では主人公ロイド・フォージャーの戦時中の過去が描かれていて衝撃的。
作品中にはスポンサー名があちこちにさりげなく見られます。
それと、災厄の元「ミミズ」がすずめたちに退治されて消滅する時の様子が、「シドニアの騎士」の奇居子(ガウナ)が撃破されて泡状分解するところみたいな感じです。
※「シドニアの騎士」テレビアニメ第1、2期まとめ映像(maidigitv)
*以下にも参加しています。
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