一般人も利用可能な公開データ調査ガイド:「記者のためのオープンデータ活用ハンドブック」。
マスメディアの記者が記事を書く際には、関係者にいろいろ聞いて回るのはもちろんですが、それだけでなく、いろいろな下調べやデータ収集を行うことがよくあります。そのためのガイド本がでていて、値段も手頃で内容が分かりやすかったのでご紹介です。
「記者のためのオープンデータ活用ハンドブック」(熊田安伸著・公益財団法人 新聞通信調査会・700円+税)がそれで、情報公開請求しなくても、そもそも最初から公開されている行政の各種情報や入札案内、その他、登記、企業、雇用、事故、政治資金などなどの各種情報で一般に公開されていて誰でも利用できる情報の利用方法が紹介されています。ネット情報に関してはQRコードもついているので、ハンドブック片手に見たい情報にアクセスするにも便利です。
本来は取材記者用に作られた本ですが、一般にも販売されており、価格も手頃です。メディアの読者・視聴者は報道されたニュースを見ていろいろ判断することが多いわけですが、記者と同じ基礎データを調べられることは、仕事の上でも有益に活かせると思います。
本書や他の本で読んだところでは、スパイなど情報の世界の方々も、人間相手の情報収集活動(ヒューミント)はごく一部で、活動の大半は公開情報を分析すること(オシント)だそうで、大量の情報があふれる一方で、個人情報管理が厳しくなった現代社会のビジネスは、多くの分野で似た傾向が強いだろうと思います。
なお、同じ発行元から、「記者のための裁判記録閲覧ハンドブック」というのも出ていて、こちらは裁判記録の調査方法が解説されています。お値段はさらに安くて500円+税。法律に関連した書籍がどれもこれも高価なことを考えると、裁判報道や記録などに関心のある方にはお得なのではないかと思います。
いずれもご参考まで。
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